何か自民党は必死に幕引きを図っている学術会議任命拒否問題。
事の発端は、9月末に改選される「日本学術会議」の委員候補として推薦された105名のうち6名を、発足したばかりの菅内閣が任命拒否した事から始まった。任命拒否された6名は全員が、第一部(人文社会系)の候補者であった。
日本学術会議は科学技術・学術研究、特に基礎研究に関わる施策提言や国際交流調整を、時の政権の政治的思惑から分離させる為に設置されている独立行政機関である。(※主に応用研究や実用化に関する政策提言を担う総合科学技術・イノベーション会議とは役割が異なる。)
独立行政機関という意味では、性質は異なるが似たような国の組織として、人事院や会計検査院がある。
また、各省庁の下部組織という位置づけにはなっているが法的に独立性が担保されている行政機関として、公正取引委員会や原子力安全委員会等がある。
日本学術会議の根拠法は、日本学術会議法である。
日本学術会議法第7条並びに第17条抜粋
第七条
日本学術会議は、二百十人の日本学術会議会員(以下「会員」という。)をもつて、これを組織する。
2 会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。
3 会員の任期は、六年とし、三年ごとに、その半数を任命する。
4 補欠の会員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 会員は、再任されることができない。ただし、補欠の会員は、一回に限り再任されることができる。
6 会員は、年齢七十年に達した時に退職する。
7 会員には、別に定める手当を支給する。
8 会員は、国会議員を兼ねることを妨げない。
第十七条
日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする。
学術会議に政治圧力70年発言力、弱まる一方吉田茂首相「高度な自主性付与」のはずが【毎日】
学術会議に政治圧力70年 発言力、弱まる一方 吉田茂首相「高度な自主性付与」のはずが
毎日新聞2020年10月17日
https://mainichi.jp/articles/20201017/ddm/041/010/068000c?cx_fm=mailyu&cx_ml=article&cx_mdate=20201017
>日本学術会議の梶田隆章会長は16日、首相官邸で菅義偉首相と会談したが、任命拒否問題で進展はなかった。政府・自民党が圧力を強める中、岐路に立たされている学術会議はこれまで政治とどう向き合ってきたのか。その歴史を振り返った。
>1955年4月に開かれた日本学術会議の総会=東京都台東区で
>「日本学術会議はもちろん国の機関ではありますが、その使命達成のためには、時々の政治的便宜のための掣肘(せいちゅう)(干渉、制約といった意味)を受けることのないよう高度の自主性が与えられておるのであります」。1949年、日本学術会議の発会式で当時の吉田茂首相はこう祝辞を述べた。
>しかし、その言葉とは裏腹に、学術会議がその後歩んだ約70年は、発言力の及ぶ範囲を徐々に狭められてきた歴史とも言える。
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「学長人事にも適用されかねない」苅部直氏が指摘する任命拒否の「最大の問題」【毎日】
「学長人事にも適用されかねない」 苅部直氏が指摘する任命拒否の「最大の問題」
毎日新聞2020年10月22日 16時00分
https://mainichi.jp/articles/20201022/k00/00m/040/022000c?cx_fm=mailcp&cx_ml=article&cx_mdate=20201028
>日本学術会議の新会員候補6人の任命拒否問題は、「学問の自由」の侵害だとされる。本当に、侵害されているのだろうか。そもそも、学術会議の独立性のような「学問の自由」は、なぜ必要なのか。学術会議の政治学委員会委員長を務める苅部直東京大教授は、大学自治への政府の介入に道が開くことを危惧し、社会全体の自由度
>10月22日
>日本学術会議政治学委員会委員長の苅部直東京大教授(日本政治思想史)=東京都千代田区で2020年10月9日撮影
>日本学術会議の新会員候補6人の任命拒否問題は、「学問の自由」の侵害だとされる。本当に、侵害されているのだろうか。そもそも、学術会議の独立性のような「学問の自由」は、なぜ必要なのか。学術会議の政治学委員会委員長を務める苅部直東京大教授は、大学自治への政府の介入に道が開くことを危惧し、社会全体の自由度や寛容度を下げるとして、任命拒否に異議を唱える。【鈴木英生/オピニオングループ】
>――今回の任命拒否は、本当に学問の自由を侵害したと言えるのでしょうか?
>◆学術会議は、研究・教育の場そのものではないから、「任命拒否は直ちに学問の自由の侵害ではない」という見方も、ある程度は理解できなくもありません。最大の問題は、今回の任命拒否の手法が、国立大学法人の学長人事などにも拡大適用されかねないことです。こうなると、大学の自治は大幅に奪われて、研究・教育の内容を政府が監視・統制することにつながります。学問の自由の侵害に、やはり行き着いてしまう。
>政府は、今回の任命拒否の根拠を、憲法15条の、国民がもつ公務員の選定罷免権だとしています。8日の参院内閣委員会で、内閣府の大塚幸寛官房長は、参考として、1969年7月の衆院での政府答弁を持ち出しました。文部相が、国立大学長の任命を「明らかに大学の目的に照らして不適当だと認められる」場合は、拒否できるとしたものです。つまり、学術会議の会員も国立大の学長も、同じ法理で政府が裁量できるという認識です。
>それでも、69年の政府答弁は、好き勝手に文部相(現・文部科学相)が任命を拒否できるとまでは言っていません。言い換えると、学術会議の新会員についても、任命しないのならば、その理由を説明する必要がある。理由があるな…
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歴史的経緯を書くと、日本学術会議は、発足当初は選挙によって会員が選出されていた。
ところが、1984年に、この選挙方式を「日本共産党による学術会議支配の手段にされている」と誤解した中山太郎総理府総務長官(当時)が、選挙方式を撤廃して学術会議内に設置された候補者選考委員会による推薦方式に改めさせたのである。
(──※朝日新聞社「知恵蔵」記載による──)
言うまでもないが、1980年代当時は自民党1党支配の時代であった。
つまり、学術会議会員を現行の学術会議が推薦して内閣総理大臣が任命するという方式は、自民党が決めた方式なのである。
ちなみに、日本の法制度で「任命権」というのは学術会議に限らず形式的なものでしか無い。
内閣総理大臣は国会の指名に基づいて天皇が任命すると憲法で規定されているが、天皇が総理大臣の任命を拒否するなど許されない。
学術会議人事介入任命拒否の「根拠」総崩れ【赤旗】
2020年11月5日(木)
学術会議人事介入 任命拒否の「根拠」総崩れ
公務員の選定・罷免権は国民に 志位委員長が追及
衆院予算委
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-11-05/2020110501_01_1.html
>任命拒否の「根拠」総崩れ/公務員の選定・罷免権は国民に
>志位委員長が追及/衆院予算委
>日本共産党の志位和夫委員長は4日の衆院予算委員会で、菅義偉首相による日本学術会議の会員任命拒否があらゆる点で違法・違憲であることを解き明かしました。菅首相はまともに答えられず、答弁書を棒読みしつづける
>語句を入力して検索/
>2020年11月5日木
>日本共産党の志位和夫委員長は4日の衆院予算委員会で、菅義偉首相による日本学術会議の会員任命拒否があらゆる点で違法・違憲であることを解き明かしました。菅首相はまともに答えられず、答弁書を棒読みしつづけるだけ。任命拒否の道理のなさが議論の余地なく明らかになり、菅首相が唱える「根拠」は総崩れになりました。志位氏は「強権をもって異論を排斥する政治に未来はない」と厳しく批判しました。
>(関連記事)
>(写真)質問する志位和夫委員長=4日、衆院予算委
>志位氏は、菅首相が任命拒否の理由について、「総合的、俯瞰(ふかん)的」「バランス」「多様性」などと説明したものの、50歳代前半の研究者、その大学からただ一人だけという研究者、女性研究者の任命を拒否するなど、言えば言うほど支離滅裂になっていることを指摘。法に規定されている会員の選考基準は「優れた研究又は業績」のある研究者の一点だけで「理由を明らかにしないままの任命拒否は、学術会議の独立性・自主性を根底から破壊する」とただしました。
>菅首相は「特定の大学に偏っている」などと再び支離滅裂な説明を繰り返しただけ。志位氏は「あまりに見苦しい態度だ」と厳しく批判しました。
>さらに、志位氏は、学術会議の政府からの独立性は、法の条文全体を通じて幾重にも保障(表)され、1983年の法改定の際にも「形式的任命」「拒否しない」などと明確に答弁していることを指摘。国会審議でも、この法解釈を内閣法制局と「十分に詰めた」と答弁していることをあげ、「現在、この法解釈を維持しているのか」とただしました。
>菅首相は答弁に立てず、加藤勝信官房長官が代わって「推薦された方々をそのまま任命しなければならないということではないというのが、内閣法制局の確認をえた政府としての一貫した考えだ」などとはぐらかしました。志位氏は、法解釈を維持しているか答えないが、まぎれもない解釈変更だと指摘。国会で確定した法解釈に反する任命拒否は法律違反だと批判しました。
>さらに、志位氏が「内閣法制局の了解を得たのはいつか」と聞くと、井上信治科学技術担当相は「18年11月15日だ」と述べ、わずか2年前に決めたことが明らかになりました。志位氏は「2年前にこっそり決めて、国会で説明されたわけでもない。学術会議にも知らされなかった」「クーデター的な法解釈の改ざんというほかない」と批判しました。
>志位氏は、憲法15条1項を持ちだした菅首相の任命拒否合理化論も成り立たないことを指摘。憲法15条は公務員の選定・罷免権が主権者・国民にあることを規定したもので、その具体化は国民を代表する国会が法で定めることになっており、法に反した任命こそ憲法15条違反となることを解き明かし、「公務員の選定・罷免権をあたかも首相にあるかのごとく条項を読み替えるのは、首相が主権者である国民から公務員の選定・罷免権を簒奪(さんだつ=資格のない者が権限を奪い取ること)する暴挙だ」と批判しました。
>そのうえで、志位氏は、違法な任命拒否によって、学問の世界に萎縮や自主規制が広がるなど、憲法23条が保障した「学問の自由」が侵害される事態が具体的に進行していることを告発。戦前、学問の自由が剥奪され、科学者が戦争遂行のための軍事研究に総動員された歴史や、670もの幅広い団体が任命拒否の抗議声明を出していることをあげ、「日本国民全体にとっての大問題だ」とただしました。
>菅首相は「任命しなかったこととは関係ない」などと強弁。志位氏は、強権で異論を排斥する菅首相の政治手法を厳しく批判し、「違憲・違法の任命拒否は撤回すべきだ」と述べました。
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【参院予算委】「総理の任命権は形式にすぎない」日本学術会議問題で小西洋之議員【立憲民主党公式】
【参院予算委】「総理の任命権は形式にすぎない」 日本学術会議問題で小西洋之議員
2020年11月5日
https://cdp-japan.jp/news/20201105_0201
>5日午後の参院予算委員会(総括的)質疑では、3番手として小西洋之議員が質問に立ち、日本学術会議の任命問題を取り上げました。小西議員は、日本学術会議法が現在の形に改正された、昭和58年当時の様々な歴史的資料を紹介しながら、総理の任命拒否の違法性を強調。以下の論点について、政府を厳しく問いただしました。
>1)総理の任命行為が「付随的」な行為であることを、菅総理は知っていたのか
>小西議員は、昭和58年当時の国会の議事録(昭和58年5月12日参院文科委員会会議録)から、当時の政府委員が、総理の学術会議会員の任命行為が「(推薦に伴う)付随的な行為」である、と述べた部分を取り上げ、「あなたの任命権の法的性質――あなたの任命権は、推薦を破ることができない『付随的なもの』である――そうしたことをご存知でしたか」と、菅総理を繰り返し問いただしました。しかし、菅総理は、「推薦された方々を必ずそのまま任命しなければならないということではないという点については、内閣法制局を含めた政府の一貫した考え方」と、同じ答弁を繰り返すばかりでした。
>2)中曽根元総理の国会答弁は、法令解釈か
>小西議員は、日本学術会議法の改正を審議した昭和58年当時の中曽根康弘元総理が、総理の会員任命は「形式に尽きる」と、繰り返し答弁していたことを取り上げ、元総理の答弁が法令解釈であるのは明らかではないか、とただしました。
>「中曽根総理は、法令解釈として述べているはずなんです。ところが菅総理は、別の解釈をお持ちなんですね。日本国の総理大臣は、前の総理大臣が国会で作った法律を、別の解釈を作って、好きなことができる――そういう国なのですか」
>「学術会議の任命は、形式に尽きると国会で何回も何回も答弁しているんですよ。この国会で、形式的任命件しかない、実質的任命権はない、できないという風に国会で議決された法律の下で、任命拒否をやることが合法なんですか?」
>と、問いただす小西議員に対して政府側は、「当該行政機関の職務の独立性等に鑑みて何らかの申し出や推薦に基づいて任命するものと規定しているとしても、憲法第15条第5項の規定で明らかにされてるところの公務員の終局的任命権が国民にあるという国民主権の原理との調整が必要である」(内閣法制局長官)と、繰り返し憲法15条を引き合いに答弁するのみでした。
>3)文科大臣の任命制度を根拠に、なぜ任命拒否ができるのか
>菅総理は、学術会議会員の任命を総理が拒否できる理由の一つとして、文科大臣も国立大学の学長の選出を拒否することができるから、という趣旨の答弁を国会で繰り返しています。小西議員は、昭和58年当時の国会でもこの類似性が議論され、大学学長のケースとは異なり、総理に任命拒否することはできない、との結論に達していたことを指摘しました(昭和58年5月12日参・文教委員会での粕谷照美議員と高岡完治説明員とのやり取りから)。
>「文科大臣の任命制度――実質的な任命権を持つーーそういう考え方によって、この学術会議法の世界でも任命拒否が起きないですか、とそれを何度も何度も念押ししている。『起きないという保証はこの法律のどこにあるのですか』という風に尋ねられて、この高岡さんという方が『今まさに審議している法律の第7条であります。この7条はこういう条文なので、総理が形式的な任務を行う、こういう条文として、内閣法制局と相談をして法規範として作っている』という答弁をしている。この質疑があるにも係らず、文科大臣の任命制を根拠に、学術会議法において任命拒否はなぜできるのか?論理的に説明してください」
>「文科大臣のようなことが起きないですね、なぜ起きないんですかと聞かれ、この日本学術会議法の法律の『条文7条2項の法律の条文でそれを排除してる』、と答弁しているんです。なぜ総理の任命拒否が、日本学術会議法7条の2項において合法になるのか」
>と、小西議員は総理の任命拒否について、繰り返し合理的な説明を求めました。
>これらの質問に対して政府側は、「私どもも判断するには当然、法制局の相談した上で判断をするわけでありますから、私はその上で判断をした」菅総理)、「形式的任命権、あるいは実質的任命権というところの定義自体が必ずしも定まってない」(大塚官房長)といった、言い逃れ的な答弁に終始しました。
>4)内閣法制局の審査に持ち込まれた別案との整合性
>小西議員は、改正案が議論された昭和58年当時の法制局の内部資料から、現在の7条の法文とは別案が議論されていたことを取り上げ、現在の条文の解釈との整合性を問いました。
>「内閣法制局において同じ日の同じ審査において別案として二つの文が出されています。一つは日本語として100
>、形式的任命としか読めない、『推薦した者を任命する』という条文です。そしてもう一つは、今の推薦に基づいて任命するという条文でございます。であるならば、今の推薦に基づいて任命するという条文は100
>、形式的に任命する条文としか法的に読めない」
>「同じ時に別案として審査されてるはずですから、同じ意味であるに決まってるわけですが、最終的になぜ『(推薦に)基づいて』任命するという条文になったか、ちゃんと記録が残っています」
>後者について小西議員は「先例がない」という便宜的な理由から別案が採用されなかったことを明らかにしました。
>「いずれにしても、初めから推薦した者を任命拒否することは絶対出来ないーーそういう条文を作ろうという審査をやっていたわけでございます。菅総理、これだけの確実な明らかな記録が残っていて今なお、あなたが任命拒否を行ったその学術会議法の7条、これは任命拒否ができる条文だというふうにお考えでしょうか」
>と、菅総理を追及しましたが、菅総理は「私どもが判断する時は、法制局長官と相談をして確認をして決めます」と、これまでの延長線上の答弁に終始しました。
>5)日本学術会議会長の国会での発言との整合性
>昭和58年当時、学術会議会長が7条の任命制度について、「形式的任命である、実質的任命ではない」という答弁を国会でしていたことを取り上げました。
>小西議員は、「総理が一貫しておっしゃっている、任命拒否ができるという解釈が昭和58年からあったとする考えは、日本学術会議を騙していた、そういうお考えてないですか」と、菅総理を追及しました。
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このような理由から、「首相はいったいどういうつもりで6名を任命から外したのか」というそもそもの理由がわからず、議論はまずそこから紛糾した。
際立つ菅首相の消極姿勢学術会議側の要望塩漬け初のトップ会談-毎日新聞【毎日】
2020年10月16日
>際立つ菅首相の消極姿勢
>学術会議側の要望塩漬け
>初のトップ会談
>毎日新聞>2020年10月16日>21時27分
https://mainichi.jp/articles/20201016/k00/00m/010/308000c
>菅義偉首相が16日、日本学術会議の梶田隆章会長との会談に応じた。学術会議推薦の会員候補6人を任命しなかった問題で話し合いに応じることで政権批判をかわし、早期の幕引きを図りたいとの思惑がある。だが、任命拒否の説明に消極的な姿勢が改めて浮き彫りになった。
>菅義偉首相との会談を終え、報道陣の取材に応じる日本学術会議の梶田隆章会長(中央)=首相官邸で2020年10月16日午後3時50分、小川昌宏撮影
>「常に念頭に置いているのは、やるべきことをスピード感をもってちゅうちょなく実行に移すこと。いろんな課題が山積しているけれども、一つ一つ着実に実行に移していきたい」。首相は就任から1カ月を迎えた16日朝、記者団にこう語り、携帯電話の料金引き下げなどへの意欲をアピールしたが、梶田氏との会談予定を尋ねる質問には答えなかった。
>首相は会員候補6人の任命拒否の理由について明確な説明を避け続け、任命拒否の判断も変更しない考えを示している。16日に東京・東新橋の共同通信社で行った講演でも、学術会議の問題には一切触れなかった。5日の内閣記者会のインタビューで語った「丁寧な説明」とはほど遠い状況が続いている。
>それでも、首相が梶田氏との会談に応じたのは、26日に召集される臨時国会で、学術会議の問題を巡って野党から追及を受けるのが必至だからだ。首相として少しでも批判をかわしたいのが本音で、会談後、記者団に学術会議のあり方について「コミュニケーションを取りながら、お互いに進めていこうということで合意した」と強調した。
>しかし、梶田氏が手渡した要望書は3日に内閣府に送付されているのにいまだに「事務…
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共産党や立憲民主党などの野党は、法治国家の根幹に関わる問題であるとしてまず説明をするように求めた。
学術会議の独立性を破壊【赤旗】
2020年10月28日(水)
国会では沈黙TVでは強弁
首相、勝手な基準で任命拒否正当化
学術会議の独立性を破壊
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-10-28/2020102801_01_1.html
>国権の最高機関である国会での初の所信表明ではだんまりを決め込みながら、同じ日の夜のNHK番組では滔々(とうとう)と自説を一方的にまくしたてる―菅義偉首相は26日、自ら任命拒否した日本学術会議会員について、こんな異常な態度をとりました。
>首相による任命拒否は、「(学術会議の)推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」とした日本学術会議法にも違反し、「学問の自由」を保障した憲法23条にも反する大問題です。首相の任命は「形式的なもの」とした政府答弁からも逸脱したもので、今国会の焦点課題です。それにもかかわらず、自ら問題を引き起こした菅首相は所信表明演説で一言も触れませんでした。
>法治破壊
>一方で、NHK番組では学術会議について「若い人が極端に少ない」「結果的に、一部の大学に偏っている」などと問題を学術会議のあり方論にすり替え、「政府として関与し、責任をとる必要がある」と任命拒否を正当化しました。しかし、日本学術会議法17条に「優れた研究又は業績がある科学者」と会員推薦の基準を定めています。今回、政府が任命拒否の根拠にしている2018年の内閣府の文書でも同条の基準を示し、「会員としてふさわしいかどうかを適切に判断しうるのは、日本学術会議である」と明記しています。
>にもかかわらず、首相が「推薦はこうあるべき」と法律にない基準を勝手につくって任命拒否することは法治主義のあからさまな破壊です。そもそも菅氏は、学術会議の推薦名簿を「見ていない」と発言しており、語れば語るほど支離滅裂です。
>会員の多様性に問題があるかのような首相の言い分については、首相との面談(16日)について、現会員に送られた梶田隆章会長名のメール
>(全文)
>で、「現在の会員選考方式だからこそ女性会員比率を約35%まで上昇させ、関東圏以外の研究者の割合を50%程度にまで高め、ジェンダーや地域バランスを考慮し、多様な意見をくみ上げることができる会員構成になっている」と説明したとされています。
>説明必要
>また、菅氏は、学術会議について「年間10億円、国の予算をつかって活動している政府の機関」「(会員に)任命すると公務員になる」と強調しつつ、「組織全体の見直しをしなければならない」などとすりかえ論を連発しました。
>しかし、国際的にみて学術会議の予算が少ないことは周知の事実、公務員になるといっても年間の手当は二十数万円程度で、返上している人もいます。
>国民が求めているのは、既に行われた任命拒否についての説明です。首相の発言自体、学術会議法第3条に定められた学術会議の独立性を破壊し、憲法で定める「学問の自由」をおとしめる行為です。菅首相は国会での審議から逃げずに任命拒否の理由を説明すべきです。
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この問題を受けて、何が目的かは知らないが保守右派、というか所謂デマウヨと言われる連中が、学術会議の会員は年金や高額報酬などの多大な特権を受けているとのデマを流し始めた。
中には、学者の国際交流を否定する、恥ずべき発言まで見受けられた。
学問に国境などないということを、彼らは義務教育で教わらなかったのだろうか?
菅首相が主張する学術会議の「既得権益」本当にあるのか、いいがかりか【毎日】
菅首相が主張する学術会議の「既得権益」 本当にあるのか、いいがかりか
毎日新聞2020年11月6日 20時52分
https://mainichi.jp/articles/20201106/k00/00m/010/290000c?cx_fm=mailasa&cx_ml=article&cx_mdate=20201107
>菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否した問題を巡る国会論戦で、政府・自民党が学術会議の組織のあり方への批判を強めている。菅首相は予算委員会が始まった2日以降、「閉鎖的で既得権益のようになっている」と繰り返すようになった。一連の「口撃」内容を検証すると、こじつけや言いがかりのような主張
>任命拒否理由の説明などを求める声明を発表する「人文社会系学協会連合連絡会」の学者=東京都千代田区で2020年11月6日午前10時42分、岩崎歩撮影
>菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否した問題を巡る国会論戦で、政府・自民党が学術会議の組織のあり方への批判を強めている。菅首相は予算委員会が始まった2日以降、「閉鎖的で既得権益のようになっている」と繰り返すようになった。一連の「口撃」内容を検証すると、こじつけや言いがかりのような主張も目立ち、会員らの間で「何の権益があるのか逆に聞きたい」と困惑が広がる。
>偏る分野、たらい回し…具体性欠く政府の批判
>2日の衆院予算委。自民の大塚拓議員は、学術会議の会員が法・政治学分野に多いことをやり玉に挙げた。総務省の2019年度の統計「科学技術研究調査」では、国内の法・政治学の研究者は8177人、電気・通信は15万3942人いるとして「非常に偏った組織だ」と決めつけた。
>会員数は現在、「法学」「政治学」計16人に対し、「電気電子工学」は9人。大塚氏の主張に沿って単純計算すると、両分野の研究者から会員が選ばれる確率は33倍異なることになる。ただ、法・政治学の8177人は大学などに所属する研究者だけを数えているが、電気・通信の15万3942人は民間企業の研究者を含んだ数だ。電気・通信の研究者を大学などに限った場合は1万836人で、大きな差があるわけではない。
>矛先は会員の選考方式にも向けられている。大塚氏は210人の会員の多くが約2000人の連携会員から選ばれているとして「特定の既得権集団がポストをたらい回ししている」と指摘。菅首相も「(全国で約90万人の研究者が)会員、連携会員とつながりを持たなければ会員になれないような仕組みだ」と同調し、任命拒否を正当化した。
>実際はどうか。会員、連携会員を選考する仕組みは、…
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「甘い汁を吸えるような組織ではまったくない」学術会議前会員の本田由紀教授【毎日】
「甘い汁を吸えるような組織ではまったくない」学術会議前会員の本田由紀教授
毎日新聞2020年10月17日 10時00分
https://mainichi.jp/articles/20201016/k00/00m/010/165000c?cx_fm=mailhiru&cx_ml=article&cx_mdate=20201017
>日本学術会議の新会員候補6人が菅義偉首相から任命されなかった問題は、学術会議のあり方そのものにまで論点が拡大しつつある。9月まで会員だった本田由紀・東京大教授(教育社会学)は「菅首相は任命拒否の問題から学術会議のあり方に国民の目をそらそうとしているのではないか」と批判する。【木許はるみ/統合デジタ
>日本学術会議の新会員候補6人が菅義偉首相から任命されなかった問題は、学術会議のあり方そのものにまで論点が拡大しつつある。9月まで会員だった本田由紀・東京大教授(教育社会学)は「菅首相は任命拒否の問題から学術会議のあり方に国民の目をそらそうとしているのではないか」と批判する。【木許はるみ/統合デジタル取材センター】
>――本田さんは2014年9月に学術会議の会員になり、20年9月に6年の任期を満了しました。任命拒否の問題を発端に、政府は行政改革の視点で会議のあり方を検討しようとしています。
>◆そもそも今回の問題は、学術会議で完結するはずの会員の選考に政治が介入してきた手続き上の問題です。それにもかかわらず、学術会議の活動そのものに議論がすり替えられています。仮に会議のあり方に問題があったとしても、まったく切り離して考える必要があります。
>――本田さんも会員の推薦に関わっていますが、任命拒否をどう感じましたか。
>◆候補者は長い選考過程を経て推薦されています。政権はそれを覆しました。学術的基準に基づいた推薦を、学術に携わったこともない政権が勝手に判断するのは、明らかに不当です。理由を説明できていません。6人が任命されていれば、学術会議で果たせた役割があったはずです。政権は6人からその権利を奪うとともに、国民がその方々の活動から得られていたはずのメリットも奪いました。
>――菅首相は「総合的、俯瞰(ふかん)的な活動を確保する観点から判断した」と言っています。
>◆「総合的・俯瞰的」は、03年の政府の総合科学技術会議の資料にある表現です。学術会議のあり方を検討した資料に「総合的、俯瞰的な観点から活動することが求められている」と書かれています。また、「日本学術会議の新たな展望を考える有識者会議」が15年3月に出した提言に「自らの専門分野の枠にとらわれない俯瞰的な視点をもって向き合うことのできる人材が望ましい」とあることも根拠とされているようです。
>しかし、6人が「総合的・俯瞰的」に抵触する理由は説明されていません。なぜ6人が他の人と切り離されて任命されなかったのか。菅さんの「前例を踏襲していいのか」というインタビューでの言葉は、新鮮味があるように聞こえますが、法律を踏まえてこれまで受け継がれてきたやり方に反することをするなら、しっかりとした説明が必要です。
>――菅首相は学術会議の選考方法の課題や予算にも触れていました。
>◆菅さんは「現在の会員が自分の後任を指名することも可能な仕組み」と言っていました。とても誤解を招く発言だと思います。実際には、会員が自分の分野から優れた研究者を推薦します。大量の候補者が推薦されるので、私の所属した分野では投票で候補者に優先順位をつけていました。そ…
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学術会議巡るデマ拡散で重なった「五つの条件」とは【毎日】
学術会議巡るデマ拡散で重なった「五つの条件」とは
毎日新聞2020年11月19日 08時00分
https://mainichi.jp/articles/20201118/k00/00m/040/291000c?cx_fm=mailhiru&cx_ml=article&cx_mdate=20201119
>新会員候補6人が任命拒否された問題で、日本学術会議に関する誤情報が10月中にいくつも出回った。政治家やメディア、ネットを発信源にさまざまなデマが広がった背景には何があるのか。著書「フェイクニュースを科学する」の笹原和俊・東京工業大准教授(計算社会科学)は「学術会議の問題はデマが拡散する五つの条件が
>日本学術会議を巡り、さまざまな「デマ」が広がった。画面は、NPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」の記事一覧
>新会員候補6人が任命拒否された問題で、日本学術会議に関する誤情報が10月中にいくつも出回った。政治家やメディア、ネットを発信源にさまざまなデマが広がった背景には何があるのか。著書「フェイクニュースを科学する」の笹原和俊・東京工業大准教授(計算社会科学)は「学術会議の問題はデマが拡散する五つの条件が重なっていた」と指摘する。どんな条件なのだろうか……。【木許はるみ/統合デジタル取材センター】
>誤情報続々、検証記事も相次ぐ
>学術会議に関連した誤情報は10月上旬に出回り、NPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」によると、誤情報を検証した記事は、新聞やネットメディア各社から10本が公開された。…
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これに対し、学者の団体である各学会や、有力学者が次々と異を唱え始めた。
「地動説は誤り」と糾弾のガリレオ裁判のよう…学術会議の任命拒否に600団体超が声明【東京】
「地動説は誤り」と糾弾のガリレオ裁判のよう… 学術会議の任命拒否に600団体超が声明
東京新聞2020年10月31日 05時50分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/65395
>10月1日に任命されるはずだった日本学術会議の会員候補6人が、菅義偉首相に任命拒否されて1カ月。この間、各学会など600を超える団体から抗議の声明が相次いでいる。戦前への逆行を危惧したり、地動説を主張して宗教裁判にかけられたガリレオの事例を交えたりと、それぞれの専門分野を踏まえた厳しい視線が向けられている。
>「情報公開の制度は古代ローマの時代に芽生えた」と前置きし、菅首相が理由を明確に示さない点を突くのはイタリア学会。「権力が学問世界に介入する事例は西洋史に無数に見いだされる」とし、ガリレオが17世紀、ローマ教会による裁判で「地動説は誤り」と認めさせられた例と変わらないと主張した。
>◆文学会や野鳥の会、映画界、宗教法人からも
>奈良時代の文献などを研究する上代文学会は戦前、古事記や日本書紀の研究が国家権力に弾圧されたと指摘。言語表現を扱う学会として菅首相の説明を「無効で無内容。日本語を痛めつけないで」と切り捨てた。このほか、自然保護推進への影響を恐れる日本野鳥の会や歌人のグループ、映画界、宗教法人など、幅広い分野で抗議の声が上がる。
>◆相次ぐ声明に梶田会長「心強い」
>日本学術会議は任命拒否された直後の2日、理由の説明と、6人の任命を求める決議を公表。梶田隆章会長は29日の記者会見で「多数の学会などから決議をサポートするメッセージをいただいて心強い」と相次ぐ声明に謝意を示した。
>「安全保障関連法に反対する学者の会」によると、連名で出したケースも含めて、30日現在で600団体超が声明を発表した。「三権分立に関わる問題」と法律論を展開する日本弁護士連合会や、学問の自由の侵害を指摘する法政大総長のメッセージなども含め、
>同会ウェブサイト
>で、リンク先を紹介している。(梅野光春)
あそこは左翼の巣窟だけど…反学術会議派・小林節氏が首相を糾弾する理由【毎日】
あそこは左翼の巣窟だけど… 反学術会議派・小林節氏が首相を糾弾する理由
毎日新聞2020年10月23日 12時00分
https://mainichi.jp/articles/20201022/k00/00m/040/272000c?cx_fm=mailyu&cx_ml=article&cx_mdate=20201023
>日本学術会議の一件を巡り、かつて自民党の憲法改正論議をリードしてきた大物学者が激怒していた。小林節・慶応大名誉教授である。学術会議を「左翼の巣窟のようだ」と批判し、かつてはその長老学者とけんかをしたこともある武闘派だが、それでも「任命拒否は許せない」と菅義偉首相を激しく糾弾するのだ。どういうことか?【吉井理記/統合デジタル取材センター】
>――若い頃、日本学術会議の会員の選び方について、学術会議の顔役の学者たちとけんかしたそうですね。
>◆30年前のことだね。慶応大教授になった翌年の1990年、41歳だったかな。憲法学者の世界は8割が左翼、2割が右翼でね。所属する学会も、左は日本公法学会、右は憲法学会などと分かれていて。左は「改憲」はタブーだったし、右は右で、天皇を絶対視して「明治憲法復元」を唱えるような学者も少なくなかったね。僕は両方に所属していたが、どちらとも考えが合わなかったんだ。
>――「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)などでは「タカ派」として扱われていましたし、右からも「小林は大日本帝国憲法に批判的だ」などとして、距離を置かれていたと聞いています。
>◆右も左も異論を排除したがるからね。その「左8割、右2割」という学者の構成が、そのまま日本学術会議の法学者の構成に反映されていたかと言えば、そうではなかった。当時の学術会議では、丸めて言えば、ほぼすべてが左で独占されていた。
>――少数派の右が、学術会議では無視されていた、と。
>◆そう。それで米国留学経験があり、討論が得意だった僕に右の学者たちが白羽の矢を立てた。彼らに推され、日本学術会議で法学系の会員を推薦する長老学者たちの集まりに乗り込んで談判したんです。学術会議の大会議室だった。顔役のような学者たちと向き合って「学界の構成通り、学術会議の会員も、右の学者をせめて2割は入れるのが筋だ。学問なんだから、異論があって当たり前ではないか。放逐するのは全体主義だ」と意見した。でも長老たちは「今のままで何も問題ない」の一点張り。菅首相の官房長官時代の答弁みたいだったね。
>――同じ思想や価値観で固まっていた学術会議のあり方を変えようとしたわけですね。でも、実現しなかった。
>◆そもそも異論を排除するようでは、学問の発展はあり得ない。あれ以来、僕は学術会議とは関わっていない。ただはっきり言っておきたいのだけれど…
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「このままでは理系も手を突っ込まれる」佐倉統・東京大大学院教授【毎日】
「このままでは理系も手を突っ込まれる」佐倉統・東京大大学院教授
毎日新聞2020年11月2日 13時00分
https://mainichi.jp/articles/20201030/k00/00m/010/139000c
>菅義偉首相が任命を拒否した日本学術会議の新会員候補6人は、憲法や歴史学などを専門とする人文社会系の研究者たちだった。安全保障関連法をはじめ国の政策に異を唱えたことが「除外」の要因ではないかとの指摘もあるが、現状を理系の研究者たちはどう見ているのだろうか。人工知能(AI)や脳科学などを対象に、科学技術と社会との関わりを研究している東京大大学院情報学環の佐倉統(おさむ)教授は「この方向が続けば理系分野にも介入が及ぶ」と危機感を募らせる。【金志尚/統合デジタル取材センター】
>――任命拒否が明るみに出て約1カ月。これまでの推移をどう見ていますか。
>◆政権の真意は分かりませんが、「一線を越えたな」というのが最初の印象でした。安倍晋三前首相の時からですが、政権は自分たちの意のままに法的な手続きや制度、あるいは世論の批判を無視してさまざまなことに手を入れてきました。今回のことがただちに(戦前のような)思想弾圧になるとは思いませんが、非常に不気味であることは間違いありません。「ついにここに手を突っ込んできたのか」と不安を感じます。
>これは、個々の政治信条がどうあるかに関係なく、日本の将来の根幹にかかわる問題です。たとえ学術会議に組織としての問題があったとしても、だからといって今回のような介入が許されていいはずがない。別次元の話です。
>菅首相は「総合的・俯瞰(ふかん)的」という言葉で片付けようとしていますが、全く説明になっていない。いきなりこれまでのやり方を変えているわけですから、なぜあの6人が任命されなかったのか詳細な説明が必要です。
>――今回の任命拒否に対し、「学問の自由」を侵害しているとの声が上がっています。
>◆今の学術研究は理系文系を問わず、分野が非常に細分化されています。研究成果にどういう意義があるのか、その分野の専門家じゃないと分からない状況になっている。善しあしは別にして、現にそうなっている以上、専門家の判断を尊重する仕組みにしておかないといけない。専門的な理解のない外部の人が「これはおかしい」などと口を挟むと、学術研究が成り立たなくなってしまうからです。
>今回の任命拒否のようなことを許容し続けると何が起きるか。金や権力を握っている人の意向に沿う研究しかできなくなる恐れがある。それは非常に危ういし、国の力全体をそいでいくことにもなります。
>実際、歴史を見ると、何度も権力者が学問に口を出していますが、ろく…
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学術会議任命拒否基地強行と同じ【赤旗】
2020年10月29日(木)
学術会議任命拒否 基地強行と同じ
オール沖縄会議抗議
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-10-29/2020102915_02_1.html
>沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設の阻止を目指す「オール沖縄会議」の共同代表らは27日、県庁での記者会見で、日本学術会議が推薦した会員候補105人のうち6人の任命を菅義偉首相が拒否し、理由も示さないこ
>2020年10月29日木
>沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設の阻止を目指す「オール沖縄会議」の共同代表らは27日、県庁での記者会見で、日本学術会議が推薦した会員候補105人のうち6人の任命を菅義偉首相が拒否し、理由も示さないことに強く抗議し、拒否の撤回と任命を求める声明を発表しました。菅首相宛てで送付しました。
>声明は菅首相の任命拒否を、学問の自由を「真っ向から踏みにじる違憲・違法行為」だと厳しく批判。学問の自由は「戦前の侵略戦争の道をひた走った痛苦の歴史を踏まえ、憲法が特に明記した」と強調しています。
>菅首相の任命拒否という違憲・違法行為は「辺野古において強行されている新基地建設とまったく同じである。去る大戦において悲惨な地上戦を押し付けられた沖縄県民」として抗議し、任命を要求するとしています。
>大城紀夫共同代表は記者会見で、「声を上げなければ安倍前政権を引き継ぐ菅政権がもっと強権化する。全国の団体、マスコミ、個人とその危機感を一緒に共有し、行動することを呼びかけたい」などと訴えました。
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返答に窮した政府与党は、学界の分断を図ったのか「学術会議の会員が特定大学の人間に偏っている」という詭弁を主張し始めた。
実際には大して偏っていない上に、そもそも国の研究費が特定の大学に偏っているという問題があぶり出されただけだった。
学術会議の構成、最多の東大2割未満首相「偏り」繰り返すも地方が半数超:東京新聞TOKYOWeb【東京】
>学術会議の構成、最多の東大2割未満
首相「偏り」繰り返すも地方が半数超:
東京新聞 2020年10月30日>05時50分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/65133
>菅義偉首相は29日の衆参両院の本会議で、日本学術会議の新会員の任命拒否に関し、会員構成が一部の大学に偏っているなどと繰り返し、改革する必要性を主張した。実際には最も多い東大の会員の割合は減少傾向で全体の2割に満たない。首相は地方の会員が少ないとも指摘しているが、最近は年々増加して関東以外の会員が過半数を占めている。(中根政人)
>◆首相「民間、若手少なく
>大学にも偏り」
>代表質問では、首相は任命拒否に関して「民間出身者や若手が少なく、大学にも偏りがみられることも踏まえ、多様性が大事であることを念頭に、私が任命権者として判断を行った」と説明した。26日のNHK番組では、会員構成を巡って「地方の会員も選任される多様性が大事だ」とも述べている。
>学術会議の大西隆元会長が野党に提出した資料によると、現会員204人のうち、東大の会員数は16.7%の34人で、2011年10月の28.1%から低下。地域別の会員の割合も、関東地方は11年10月に59.5%だったが、現在は49.5%へ10ポイント下落した。
>◆女性比率少ないのに1人を拒否
>首相が任命拒否した新会員6人には、会員ゼロの東京慈恵会医科大の小沢隆一教授や会員1人の立命館大の松宮孝明教授も含まれている。女性の比率が37.7%と低い問題は改善されていないが、女性の新会員も任命拒否された。首相は女性や会員ゼロの大学の教授を除外した理由を問われても答えず、多様性が大事とした選考基準との整合性が取られているとは言い難い。
>首相の発言が法律で定めた権限を逸脱しているとの指摘もある。日本学術会議法17条は、同会議が優れた研究・業績がある科学者の中から会員候補者を推薦すると規定する。首相が言及しているような選考の基準は条文にない。
>◆「首相が勝手に基準つくり任命拒否」
>29日の衆院代表質問では、共産党の志位和夫委員長が「首相が勝手に基準を作って任命拒否を始めたら、学術会議の独立性が根底から破壊される」と批判。首相は「産業人、若手研究者、地方在住者など多様な会員を選出すべきだと総合科学技術会議(現在は総合科学技術・イノベーション会議)から意見具申があった」と釈明した。
>首相の任命拒否に関する答弁について、立憲民主党の福山哲郎幹事長は記者団に「答弁が重なるにつれ、いよいよ迷走し始めたという感じがする」と語った。
>【関連記事】
>6人任命拒否は「内閣府と考え共有し判断」
>菅首相、代表質問で<学術会議問題>
>学術会議の任命拒否、首相は理由を説明せず
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学術会議会員、どう選ばれる? 廃止や民営化まで議論されてきたあり方論
毎日新聞2020年10月15日 19時53分
https://mainichi.jp/articles/20201015/k00/00m/010/215000c?cx_fm=mailasa&cx_ml=article&cx_mdate=20201016
>菅義偉首相は日本学術会議(梶田隆章会長)から推薦された会員候補6人を任命しなかった背景の一つとして、3年ごとに半数(105人)が改選される会員の選考システムが閉鎖的であることなどを挙げた。実態はどうなっているのか、検証した。
>菅首相は今月5日、報道各社のインタビューで「事実上、現在の会員が自分の後任を指名することも可能な仕組みとなっている」と発言した。ところが実際は指名ができない仕組みで、多くの会員がこの発言はミスリードだと反論する。一方で「えこひいきが無いとは言い切れない」と指摘する元会員もいる。それぞれの認識は学術会議の三つの部会に設置される、計30の分野別委員会ごとで異なるのが実情だ。
>会員は3年ごとに半数が改選される。現会員(210人)と、会員とともに活動する連携会員(約2000人)は、最大2人の会員候補を推薦できる。推薦される人の了解を得た上で、主な学術論文や特許など業績を記した推薦書を学術会議事務局に提出する。複数の元幹部によると、会員の定年(70歳)に達していない連携会員も自動的に候補になるが、辞退する人もいるほか、推薦書を出さない会員もいる。
>ここから、現会員による新会員候補の選考が始まる。「重要なのは、1部、2部、3部ごとの選考分科会。ここが実質的に決めている」と元幹部は言う。例えば第1部(人文・社会科学)の選考分科会の中では、法学や哲学など、数人から十数人で構成される10の分野別委員会ごとに、各分野の会員候補を絞り込む。この際、詳細な専門分野▽大学▽地域▽年齢▽男女割合――などのバランスを考慮するが、分野別委員会の選考方法はそれぞれに委ねられている。
>分野別委員会で選ばれた候補者は選考分科会に報告され、さらに地域や女性比率のバランスを見て調整される。そして会長が委員長を務める選考委員会に名簿リストが送られる。大西隆・元会長は「選考委員会に来る名簿は105人プラスアルファのもの」と説明する。名簿は幹事会や総会にかけられ、最終的に105人の新会員候補が首相に推薦されるという流れだ。
>会員経験者は「自分の推薦した人が会員になるかは分からない」と声をそろえる。例えば会員の3…
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学術会議の梶田会長らが井上担当相と会談「任命拒否は活動の著しい制約」【東京】
学術会議の梶田会長らが井上担当相と会談「任命拒否は活動の著しい制約」
2020年10月29日 21時19分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/65145
>日本学術会議の新会員任命拒否問題を巡り、梶田隆章会長らは29日、東京都港区の同会議を視察した井上信治科学技術担当相と会談した。会談後の記者会見で梶田会長は「任命拒否は活動の著しい制約になっている」と、任命拒否の理由説明と6人の任命をあらためて求めた。(望月衣塑子、梅野光春)
>会談で、6人が所属するはずだった人文・社会科学系の橋本伸也部長(関西学院大教授)は「人文・社会の会員の1割が欠け、健全な活動が妨げられている。政府との信頼関係が損なわれ、本来の活動ができるか危惧している」と訴えた。
>生命科学系の武田洋幸部長(東京大教授)は「ゲノム編集や新型コロナウイルス問題では、生命科学だけでなく、人文・社会系の視点が不可欠」と指摘。理学・工学系の吉村忍部長(東京大教授)は「最先端の自動運転技術でも、どう社会に受け入れられるか、人文・社会系と連携して検討してきた」と述べた。
>これに対し、井上担当相は「意見を受けとめ、今後の検討に生かしたいが、任命は総理の権限。総理に伝えたい」と答えた。
>会談後の記者会見で、井上担当相が求める組織の改革案について、梶田会長は「2カ月で最大限の検討をして報告したい」と述べ、任命拒否問題と分けて進めるとした。
>一方で、任命拒否が学問の自由の侵害に当たるという指摘に対し、小林伝司・大阪大名誉教授は「拒否の理由が明らかでなく、侵害に当たるかはっきりしない」と明言を避けた。
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二転三転する政府の返答の中で、杉田内閣官房副長官の関与が濃厚になり、野党は杉田副長官の国会招致に焦点を絞り始めた。
「経緯はっきりさせる必要ある」野党、杉田氏招致で一致与党は拒否学術会議任命拒否【毎日】
「経緯はっきりさせる必要ある」 野党、杉田氏招致で一致 与党は拒否 学術会議任命拒否
毎日新聞2020年11月5日 19時48分
https://mainichi.jp/articles/20201105/k00/00m/010/224000c?cx_fm=mailasa&cx_ml=article&cx_mdate=20201106
>「経緯はっきりさせる必要ある」
>野党、杉田氏招致で一致
>与党は拒否
>立憲民主、共産、国民民主、社民の野党4党は5日、国対委員長会談を開き、日本学術会議を巡る任命拒否問題に関与した杉田和博官房副長官の国会招致を求める方針を再確認した。立憲の安住淳国対委員長は記者団に「(任命拒否の)経緯をはっきりさせる必要がある」と指摘したが、政府・与党は「前例がほとんどない」と拒否
>2020年11月5日
>19時48分
>20時19分
>菅義偉首相(左)と杉田和博官房副長官
>立憲民主、共産、国民民主、社民の野党4党は5日、国対委員長会談を開き、日本学術会議を巡る任命拒否問題に関与した杉田和博官房副長官の国会招致を求める方針を再確認した。立憲の安住淳国対委員長は記者団に「(任命拒否の)経緯をはっきりさせる必要がある」と指摘したが、政府・与党は「前例がほとんどない」と拒否している。首相官邸主導の人事を総括するキーマンを巡り、与野党の攻防が続いている。
>衆参の予算委員会で、菅義偉首相は杉田氏から事前…
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それでも尚官邸は非を認めず、今度は現行制度が若手や女性の登用を阻んでいるという詭弁を弄し始めた。
ちなみに、任命拒否された6名の中には、若手も女性も含まれている。
学術会議は閉鎖的で既得権益のようになっている=菅首相【ロイター】
2020年11月2日12:07 午後3時間前更新
学術会議は閉鎖的で既得権益のようになっている=菅首相
https://jp.reuters.com/article/pm-idJPKBN27I071?taid=5f9f90081dea630001ee742e&utm_campaign=trueAnthem:+Trending+Content&utm_medium=trueAnthem&utm_source=twitter
>菅義偉首相は2日の衆院予算委員会で、日本学術会議の任命拒否問題に関連し、任命の仕組みが「閉鎖的で既得権益のようになっている」と指摘し、官房長官時代から選考方法に懸念を持っていたと述べた。大塚拓委員(自民)への答弁。/
>首相は学術会議について「会員200人、連携会員2000人の先生方とつながり持たないと会員になれない仕組みになっており、ある意味閉鎖的で既得権益のようになっている」と述べ、今回の選考でも「わたし自身悩んだ。推薦をそのまま任命するという前例を踏襲するのは今回やめるべきと判断した」と説明。「所信表明でも役所の縦割り、悪しき前例主義を打破し、国民のために働く内閣を作りたいと述べた」と付け加えた。
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若手を任命拒否した理由「若手が十分いない」支離滅裂で混迷深めた菅首相の答弁【毎日】
若手を任命拒否した理由「若手が十分いない」 支離滅裂で混迷深めた菅首相の答弁
毎日新聞2020年11月2日 21時43分
https://mainichi.jp/articles/20201102/k00/00m/010/228000c
>2日の衆院予算委員会で、日本学術会議に関する政府・自民党と野党の議論は堂々巡りの展開となった。菅義偉首相は会員候補6人の任命を拒否した理由の説明で核心を避け続け、学術会議のあり方を問題視する自民党と歩調を合わせた。野党は「論点のすり替え」と反発を強め、首相への追及を続ける方針だ。
>衆院予算委員会で立憲民主党の今井雅人氏の質問に答えるため資料を手にする菅義偉首相=国会内で2020年11月2日午後3時39分、竹内幹撮影
>「いやいや、それはもう表になっている人ですから。それと今回の任命権とは全く違うんじゃないでしょうか」。首相は自著「政治家の覚悟」の中にかつて総務省課長を更迭した理由を述べた章があると立憲民主党の今井雅人氏から指摘され、6人の任命拒否理由を明らかにするよう迫られると、色をなして反論した。
>今井氏は6人が安全保障関連法など政府の政策に反対したことと任命拒否理由の関連を追及。首相が「政府の法案に反対したからではない」とする一方、直接的な理由の説明を拒むと、「片方が話せて片方が話せないでは納得できない。狙い撃ちではないか」と食い下がった。それでも、首相は「課長の人事は表になっている」と繰り返すばかり。6人が任命拒否された事実も明らかにな…
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遂に、自民党議員に任命拒否の理由が「推薦前の事前調整が無かった」という答弁をしたものの、翌日に「いつもはどういう調整をしているのか」という共産党議員の質問に、「今回は調整していない」と的外れな答弁を繰り返す有様。
首相答弁を要約すると、『推薦前の事前調整の内容は、今回は事前調整をしていないと言うことです』ということである。
首相が露骨な政治介入宣言学術会議任命拒否【赤旗】
2020年11月7日(土)
首相が露骨な政治介入宣言 学術会議任命拒否
“調整なかったから任命せず”
小池書記局長が批判
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-11-07/2020110701_01_1.html
>学術会議任命拒否/“調整なかったから任命せず”/小池書記局長が批判
>日本共産党の小池晃書記局長は6日の参院予算委員会で、日本学術会議の会員任命をめぐって菅義偉首相が「推薦前の調整」がなかったことを任命拒否の理由に挙げたことについて、「『会員の選考と推薦の段階から政府が
>日本共産党の小池晃書記局長は6日の参院予算委員会で、日本学術会議の会員任命をめぐって菅義偉首相が「推薦前の調整」がなかったことを任命拒否の理由に挙げたことについて、「『会員の選考と推薦の段階から政府が介入する』という宣言、『露骨な政治介入宣言』だ」「明らかな法違反だ」と厳しく批判しました。菅首相は、自身の発言の中身さえ説明できず、質問のたびに審議が中断。小池氏は、菅首相が今までの国会での説明を根本からひっくり返す議論を突然始めたとして「議論の大前提が変わった」「これまでの国会での質疑を最初からやり直すべきだ」と求めました。
>菅首相は5日の参院予算委で「(以前は)一定の調整が行われていた」「今回の任命にあたっては、推薦前の調整が働かず、結果として任命に至らなかった者が生じた」などと述べています。小池氏は、この菅首相の発言を引き、「どういう『調整』をしたのか」と追及。菅首相は答弁を渋り続けましたが、「任命にあたっての考え方をすり合わせた」と答えました。
>小池氏は、日本学術会議法が会員の選考と推薦は学術会議が行うと明記し、学術会議の職務は政府から独立して行われるよう保障していると指摘。「政府が(学術会議の)会員の選考や推薦に実質的にかかわることなど法に照らして断じて認められない」「政府との事前調整がなければ、推薦通りには任命しないというのなら、学術会議の独立を侵す、政治介入そのものだ」とただしました。
>菅首相は「推薦前の話であることは分かっている」と認めながら、質問に答えられず、何度も立ち往生。官僚が差し出す答弁書を、ただひたすら読み続けました。
>小池氏は「今までの説明は、学術会議の推薦名簿をそのまま認めるかどうかという話だったが、今回は、その名簿作成の以前に調整し、調整できなかったら任命拒否するという全くレベルの違う話だ」と強く批判。歴代首相は会員選考における自立性の尊重が、学術会議の独立性の担保になり、学問の自由を守ることになるという立場で任命にあたってきたこと、史上初めて人文社会科学系220余の学会が菅首相による任命拒否の理由の説明や6人の任命を求める共同声明を発表したことなどをあげ、任命拒否の撤回を強く求めました。
>支援継続・強化を
>新型コロナウイルス対策をめぐって小池氏は、「医療機関への支援が待ったなしだ」と指摘。「緊急包括支援交付金約3兆円のうち、医療機関に届いているのはいくらか」と追及しました。田村憲久厚労相は「3000億円」と答弁。小池氏は「菅首相は『3兆円の支援を行ってきた』というが、実際に医療機関に届いているのはその1割にすぎない」として、損失補てんを含めた医療機関への支援強化を求めました。
>また、コロナで売り上げが減った事業者に対する持続化給付金について、小池氏は「一回限りとせずに、コロナ収束まで事業を維持できるよう継続的支援を行うべきだ」と主張。財務省の財政制度等審議会の部会長代理が持続化給付金の継続について「新陳代謝が促される機会が奪われてしまう」と述べ、成長戦略会議委員に起用されたアトキンソン氏が「中小企業の数を現在の半分以下、160万社程度まで減らすべきだ」などと主張していることをあげ、菅首相の認識をただしました。
>菅首相は「創意工夫する企業を応援していきたい」などと答弁。小池氏は「コロナさえなければ、順調に経済活動ができる中小企業を『ゾンビ企業』呼ばわりして切り捨てるなど、言語道断だ」と批判。休業支援給付金、文化芸術支援の改善・拡充をあわせて求めました。
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しかも、当事者である前の学術会議会長には、「事前調整なんて元々してねーよ」と言われる始末。
人事めぐる事前調整「なかった」山極前会長が首相答弁に反論<学術会議の任命拒否>【東京】
人事めぐる事前調整「なかった」 山極前会長が首相答弁に反論<学術会議の任命拒否>
2020年11月7日 05時50分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/66779
>政府と日本学術会議の間で人事の事前調整がなかったのが、会員候補6人の任命拒否の理由だとする菅義偉首相の国会答弁を巡り、当時会長だった>京都大前学長は東京新聞の取材に応じ、「事前調整というのは、相互が話をして調整するもの。私は(杉田和博官房副長官と)直接会うことも電話で話をすることも、事務局長を通じて断られた。話し合いたいとの官邸からの誘いもなかった」と反論した。大西隆・元会長ら歴代幹部も調整を否定するなど、菅氏の発言に批判が相次いでいる。(望月衣塑子)
>◆官邸が「うわさ」として注文、山極氏「忖度したくない」
>山極寿一前会長
>5日の参院予算委員会で、菅氏は「以前は正式な名簿の提出前に、内閣府の事務局などと会議の会長との間で一定の調整が行われていた」と発言、「(任命拒否があった)今回は推薦前の調整が働かず、結果として任命に至らない者が生じた」と述べた。会議による候補推薦の法的位置付けについても「推薦を尊重しつつも任命権者として判断する」と、首相に裁量の余地があるとの認識を示した。
>これに対し、山極氏は「(内閣府日本学術会議事務局の)事務局長は105人の(推薦者)名簿を提出前に杉田さんに見せていると思う」と指摘。その上で「(官邸側から)何か言われたとの話が伝わってきたが、直接言われていない。官邸側が『うわさ』として注文を付けて、こちらが名簿の構成を変えれば、官邸は『何も言っていない。会議が自主的にしたことだ』と言うだろう。そんな忖度はしたくない」と、会員の選定人事に介入しようとした官邸側の姿勢を批判した。
>◆大西氏も「事前に調整したこと一切ない」
>一方、菅氏から「一定の調整が行われていた」と指摘された大西氏も取材に応じ、「官邸に事前説明はしたが、要望を受けて選定過程も含め、事前に何かを調整したということは一切ない」と反論、「2016年の補充人事では官邸が難色を示したが、選考委員会で議論し『官邸の要望は受け入れられない』と判断したまで。調整をしたとは思っていない」と回答した。
>大西氏と同時期に選考委メンバーだった別の幹部も「首相は、調整は会長と『内閣府の事務局』との間で行われたと言っているが虚偽だ。会長と事務局が人事で実質的なやりとりをすることはあり得ず、相手はあくまでも杉田副長官。杉田氏を表に出さないために『事務局など』と姑息な説明をしている」と指摘した。
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まさか菅総理は、このアインシュタインの言葉を踏襲でもしているつもりなのか?
いや、単純にするなら、法律通り推薦された全員を任命すればいい話なわけで、それは決して不可能でも限度でもない。
それを放棄するなら、それはただの知的退行、後進国宣言でしかない。
というか、菅総理は結局何も知らないんじゃ無いですかね。
どういうわけか政府の外側にいる自民党の役員がドヤ顔でこの問題語っている場面が目立ちますし。
科学研究にとってさらに地獄なのは、この一件で、保守右派の連中が科学研究、特に基礎科学の研究を如何におろそかに考えているかと言うことが明るみに出たことです。
「国の言うことをきけないなら民間でやれ」という恥知らずなことを言ってのける人間が多数いましたが。
民間でやる研究というのは、「収益化してコスト回収出来る研究」に限られるわけです。当たり前です。採算度外視の研究など、今時民間では許されません。
一方で、特に基礎科学では、コスト回収どころか収益化何てものを考えている余地など、皆無なんです。そういう分野は、国や公益団体の責任と予算のもとでやらなければならないことなんです。
保守右派共は、基礎科学研究のことも、民間での研究開発のことも、何もわかっていないド低脳だと言うことを自らさらけ出しているわけです。自ら阿呆をさらけ出しておきながら、その上学歴コンプレックスを煽って非学者の一般国民に日本学術会議を攻撃させようとまでしているわけです。