感染爆発でCOVID-19(通称新型コロナ)死者数でアメリカを世界1位に追いやったニューヨークで、感染が拡がった原因は地下鉄だとの研究報告が出ています。
NY 感染爆発原因は地下鉄か
TBSNEWS 28日10時49分
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3966259.html
ニューヨークと同じく通勤を地下鉄に依存している、東京をはじめとする日本の大都市でも同じリスクがあるのは疑いの余地がありません。
地下鉄の「密」を減らす鍵が「在宅勤務に移行して通勤そのものを無くす」ということですが、実際それがどのくらい普及しているのか。
4月前半のデータですが、調査結果が出ています。
>「緊急事態宣言後の正社員のテレワーク実施率」は、平均27.9%で、前回調査の13.2%から、1か月で倍以上に増加した。7都府県とそれ以外で比較すると、7都府県は38.8%、それ以外の地域は13.8%だった
調査期間が4/12までと言うことで、4/13以降にテレワーク(在宅勤務)に切り替えた企業も結構あるようなので、実際の出社率はこれよりはもっと低くなっているとは思います。
(あとこの調査は「7都府県」つまり大阪兵庫福岡の関東以外の3府県も含んでいるので、東京とそれ以外の地域を合算した結果ということにも留意しないといけません。)
4/28にTwitter上で行われた調査(全国)によると、77,182人のうち28.7%が在宅勤務(または自宅待機)になっている、という結果が出ています。
現在の仕事状況アンケート
— からあげのるつぼ (@karaage_rutsubo) April 28, 2020
この調査は無職(学生含む?)が回答者の21%を占めているので、実際の在宅勤務率は約36%と推定されます。
とは言え、この調査でも過半数の50.3%(補正後比率63.67%)が、出勤しているとの結果になっています。
製造業の多い愛知県(※パーソルの調査には含まれていない)を含んだ結果とはいえ、6割以上が感染拡大リスクを抱えながら出社しているわけです。
>「テレワークができない理由」を企業に聞くと、「テレワークで行える業務ではない」47.3%(前回:39.5%)、「テレワーク制度が整備されていない」38.9%(前回:41.1%)
半分近くが「在宅勤務で出来ない」業務だと言っているわけです。実際の所、本当は出来るのに出来ないと決めつけているところも多い気がしますが。
事実、こんな事例があるわけです。
非正規にテレワーク認めない企業・役所 「情報漏えいの恐れ」と言うが 国は違法と指摘
毎日新聞2020年4月23日 08時00分
https://mainichi.jp/articles/20200422/k00/00m/040/308000c?cx_fm=mailhiru&cx_ml=article
>「貸与しているパソコンを自宅で使うと情報漏えいの危険性がある」という説明を受けた
在宅勤務できない理由が、これなんです。
まるで非科学的な迷信で「在宅勤務で出来ない業務」が決められているわけです。
中にはこんなブラック企業もあるわけで。
「ネット授業も出勤せよ」 - NOVA強要、講師ストもhttps://t.co/s8QkTP7heq
— 共同通信公式 (@kyodo_official) April 25, 2020
何故こんな迷信が蔓延するのか。
Web担の別の記事で、こんな調査結果が出ています。
>「テレワーク時にITツールなどの使い方で困ったときに、気軽に相談できる人が社内にいるかどうか」を聞くと、全体の21%は「いない」と回答。これを年代別で見ると、年齢層があがるほど割合が上昇する。とくに40代以上は、40代:25%、50代:25.5%と全体平均を超える
多くの企業では管理職は40代50代だと思いますが、その辺りの年齢層のITスキルが低いわけです。要するに。
ちなみに、「在宅勤務をすると業務の能率が落ちる」「長時間労働が増える」等という声も、当初はありました。
しかし、上記のアドビの調査によると、むしろ「効率が上がった」という回答の方が多いわけです。
ところで、3月に感染爆発が起きた北海道では、再び感染者数の増加が始まるいわゆる「第2波」が始まっているとのことです。
新たに172人感染、北海道再び増加
TBSNEWS 28日0時02分
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3966079.html
東京をはじめとする他の地域でも、「第2波」が来る可能性は極めて高いと考えた方が良いでしょう。
その第2波襲来に、この出勤率で果たして日本は絶えられるでしょうか?
「コロナ差別」もそうですが、非科学的な迷信は不経済なだけでなく感染予防の足も引っ張る結果となるのです。