売上は小さいが利益率が大きい業種は不動産・物品賃貸・運輸・生活関連サービス・医療・福祉~2019年個人企業経済調査結果【総務省統計局】より

個人企業=個人事業主に関する調査結果です。


■2019年(令和元年)個人企業経済調査結果

https://www.stat.go.jp/data/kojinke/kekka.html

> 2018年の1企業当たりの年間売上高は、1336万7000円となっている。
 2019年6月1日現在の事業主の年齢が70歳以上の企業の割合は39.6%と、全体の約4割を占めている。

結果の概要(PDF:686KB)

 1企業(=1人)辺り年間売上高が大きい業種は、

  1. 飲食料品小売業
  2. 卸売業
  3. 学術研究,専門・技術サービス業
  4. 総合工事業
  5. 食料品・飲料・たばこ・飼料製造業

 1人あたり利益率の高い業種は

  1. 不動産業,物品賃貸業
  2. 学術研究,専門・技術サービス業
  3. 運輸業
  4. 生活関連サービス業
  5. 医療,福祉(病院,一般診療所,歯科診療所を除く)

 個人経営なので、弁護士(学術研究,専門・技術サービス業)とか個人開業の医師も当然入ってくる。
 生活関連サービス業とは、「個人に対して身の回りの清潔を保持するためのサービスを提供するもの及び個人を対象としてサービスを提供するもののうち他に分類されないもの。例えば、洗濯業、理容業、美容業及び浴場業並びに旅行業、家事サービス業、衣服裁縫修理業など」(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hyoka/1806xx/pdf/index_14.pdfより)。

 逆に1人あたり売上高が低い業種は

  1. 繊維工業,皮革製品製造業
  2. 医療,福祉(病院,一般診療所,歯科診療所を除く)
  3. 運輸業
  4. 生活関連サービス業
  5. 教育,学習支援業
  6. 不動産業,物品賃貸業

 1人あたり利益率の低い業種は

  1. 食料品・飲料・たばこ・飼料製造業
  2. 総合工事業
  3. 宿泊業
  4. 卸売業
  5. 飲食料品小売業

 

 売上の大きい業種は、学術研究,専門・技術サービス業を覗いて軒並み利益率が低いランキングに入っている。
 逆に売上は小さいが利益率が大きい業種は、不動産業,物品賃貸業、運輸業、生活関連サービス業、医療・福祉。
 売上も利益率も小さい業種は、教育,学習支援業。
産業別1企業当たりの年間売上高,年間営業利益及び年間営業利益率


>都道府県別に1企業当たりの年間売上高をみると,奈良県の1585万8000円が最も多く,次いで大阪府が1565万2000円,和歌山県が1540万3000円,佐賀県が1529万6000円,愛知県が1518万7000円などとなっている。

都道府県別1企業当たりの年間売上高

>産業別に都道府県別1企業当たりの年間売上高をみると,産業別1企業当たりの年間売上高が最も多い「卸売業,小売業」では,愛知県が3027万4000円と最も多く,次いで岡山県が2925万2000円など

産業,都道府県別1企業当たりの年間売上高(上位5位)

 愛知県が、卸売り小売の1位を筆頭に、4分野でランクインしています。一方で、愛知県で強いはずの製造業では5位以内には入っていません。個人事業主にはトヨタや三菱の恩恵はあまり届いていない愛知県の実態が現れている、ということでしょうか。
 製造業は、大阪・奈良・兵庫の関西3府県が上位3位。個人事業主の製造業の話ですけど、理由はよくわからない。

 建設業は沖縄県がトップ。これはおそらく、沖縄県はオフィスビル等の大型建物建設よりも住宅建設の需要の方が大きい上に、沖縄は潮風対策で独自の工法を採らねばならないので県外の事業主は参入しづらいので、技術力のある親方の収入が必然的に高くなる、ということではないかと。

 ただし、次表の通り、(調査対象の)個人事業主は中高年層が圧倒的に多いです。
産業,事業主の年齢階級別企業分布
都道府県別事業主の年齢階級「70歳以上」の企業割合(調査対象産業計)

 パーソナルコンピュータ(パソコン、PC)の使用率も低いです。
 「パソコンだけが業務用コンピュータじゃ無いよ?」と思いましたが、個人事業主で大型コンピュータ(汎用機とかオフコンとか)入れてるとこはさすがにそう無いでしょうね。民泊や個人商店でiPadを使っている所はありますけど。
産業,パーソナルコンピュータの使用の有無別企業分布
 年齢はあまり関係ないみたいですね。

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