新型コロナウイルス感染症対応「休業支援金拡充法案」を衆院に提出
2020年10月30日
https://cdp-japan.jp/news/20201030_0154
>立憲民主党は30日、「休業支援金拡充法案」(正式名称:新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案)を会派を共にする社民党、さらには共産党、国民民主党と共同で衆院に提出しました。
>休業支援金拡充法案は3つの政策から構成されています。
(1)現行の休業支援金・給付金にかかる企業規模要件を廃止し、大企業の非正規労働者も受給可能にする
(2)シフト制・日々雇用の労働者等、事業主に雇用されることを常態としていた者が休業支援金・給付金を受けるための措置を義務付ける
(3)事業主に対して、支給を申し出た労働者に対する不利益取扱いを禁止し、国の措置に協力するよう努力義務を課す――というもの。
>提出後、法案提出者が記者団の取材に応じました。立憲民主党の長妻昭厚生労働部会長は、「昭和の時代であれば、企業を救済すれば、その救済の枠組みに従業員の方がある程度入った。ところが今、雇用形態が大幅に変わり、非正規雇用が4割を占め、企業救済してもなかなかその枠組みに入らないという問題がある。そこで直接的に非正規雇用をはじめとする方々に休業支援金・給付金をお支払いするスキームとして始まったはずだが、経営者の誤解あるいは制度の不備によって、行き渡っている方もいるし、そうでない方もいて、著しい不公正、不公平が発生をしている。こういう事態を受けて今回法律を提出した」と立法趣旨を述べました。
>同じく提出者の中島克仁議員は、「休業支援金・給付金の執行率は、約5%に留まっている。本来支援を受けるべき方々に行き届いていない。制度の穴を埋めるための議員立法であるので、政府はしっかりと受け止めてもらいたい」と力を込めました。山井和則衆院議員は、「大企業の非正規労働者は、失業手当も休業手当も休業支援金・給付金もなく、無収入だ。コロナで最も困っているのは、そうした無収入になっている方たちだ。その方々を救うのが今回の議員立法だ」と説明しました。
>記者会見には、休業支援金・給付金を受け取ることができていない4人の当事者が同席しました。大手ホテルでシフト制のアルバイトに従事している男性は、「申請を試みたが、『うちのような大企業は申請に当てはまらない」と救済の手段を断ち切られた」と報告。試食販売のアルバイトの女性は、「3月に3回仕事が入ったが、それ以降は1回も仕事が入っていない。7月に会社に休業支援金・給付金の申請で電話したが、『相談してみる』と言っていまだに回答がない」と実態を訴えました。当時者の窮状を受けて長妻議員は、企業規模や経営者の誤解で救われる人と救われない人がいる現状は「社会正義に反する」として、法案成立の必要性を強調しました。
>日本共産党、立憲民主党、国民民主党、社民党は30日、新型コロナウイルスの影響で収入が減少した労働者の多くが国の休業支援金を受け取れない実態を抜本的に改善する休業支援金拡充法案を衆院に提出しました。
>(写真)休業支援金拡充法案を衆院に共同提出する野党議員。右から3人目は宮本徹議員=30日、国会内
>休業支援金は「事業主の指示」で休業した中小企業労働者を支給対象とする一方、大企業で働く労働者は対象外。中小企業で働く労働者でも、事業主が休業指示の事実を認めず、支給を受けられない事例が広がっています。22日現在の支給額は約293億円で、第2次補正予算の同支援金予算額5442億円の5%に過ぎません。
>同法案は▽企業規模の要件を廃止する▽「シフト制」「日々雇用」も含め、コロナ禍以前より労働時間が減った全雇用労働者を支給対象とする▽「休業」指示が「使用者の責めに帰すべき事由」と解釈されないことを明確にし、事業主の協力を確保する―ことが柱です。
>提出後の記者会見で立憲民主党の長妻昭副代表は、事業主の誤解や制度の不備で「著しい不公平」が生じていると指摘。厚生労働省に運用改善を求めつつ、同支援金制度の実効性を保障する法案だと強調しました。
>日本共産党の宮本徹衆院議員は、党事務所や労働組合にも多くの相談が寄せられているとして、「与党や政府もコロナの感染拡大で苦しむすべての方が救済される制度づくりに応じてほしい」と訴えました。
>会見には当事者の非正規雇用労働者らが同席し、「3月に3回仕事が入ったが、あとは全部キャンセルになった」などのほか、会社が協力せず申請できない苦境を訴えました。
関連:
コロナ禍 非正規支援急務
月4日勤務なら休業金給付
厚労省方針 労組・共産党の要求実る
しんぶん赤旗 2020年10月31日(土)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-10-31/2020103101_04_1.html
>新型コロナ禍で休業手当が支払われない中小企業の労働者に賃金の8割を補償する「コロナ休業支援金」について厚生労働省は30日、非正規労働者について、「月4日以上の勤務」などが確認できれば支給する方針を示しました。
>給付には企業による休業指示の確認が必要ですが、協力を拒否するケースが相次いでいるため、新たな基準が必要と判断しました。基準が明示されたことで給付拡大につながります。首都圏青年ユニオンと全労連、日本共産党の宮本徹衆院議員らが要請していました。同省によると、企業が協力しない場合でも「週〇日勤務」などと勤務日が記載された労働条件通知書やシフト表があれば支給決定。
>該当書類がなくても月4日以上の勤務を6カ月以上確認できる給与明細などがあれば、各地の労働局で支給を認めます。明細が残っていなくても労働局で事業者に確認するなどして支給決定します。
>過去に不支給となった人でも再度、申請できるように運用を変更しました。
>同省は、制度が事業者らに理解されていないとしてリーフレットを作成。店舗が入居するショッピングセンターなどが休館した場合でも、「事業者が労働者を休業させたことになる」と明示しました。
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