https://research-er.jp/articles/view/95922
>新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDOと住友電気工業株は大型の定置用蓄電池「レドックスフロー電池RF電池」を運用し、平常時・災害時の併用運転デュアルユースを実現する世界初の実証事業を開始します。
>このたび追加する実証は2021年秋から12月まで実施する予定で、平常時は電力取引で収益を得ながら、災害時には自立電源として停電地区に電力を供給する手法などを検証します。これにより同州で近年多発している計画停電、昨年発生した輪番停電などに対する電力インフラのレジリエンス回復力を強化するとともに再生可能エネルギーの導入拡大や温室効果ガスの排出削減を目指します。
>このたび実証事業を延長して既設のRF電池設備を活用して、需要家を含む実配電網の一部でマイクログリッドを構築し、同州で問題となりつつある計画停電、輪番停電に対して、その運用を検証する追加実証を行うことを決定しました。
計画するマイクログリッド運用5では、容量8MWhの既設のRF電池が接続されている配電網の一部を商用系統から切り離し、RF電池を自立電源としたマイクログリッドを形成することによって、約70軒の実需要家に電力を供給し、その技術的課題を検証します。また、これにより平常時はCAISOとの電力取引で収益を得ながら、災害時にはマイクログリッドの自立電源として停電予定地区の需要家への電力供給を行うことで、蓄電池の価値をさらに高めることを目的としています。
なお、このようなデュアルユースは世界初の試みであり、世界に先駆けた大型蓄電池活用の実績作りとともに普及拡大を目指します。
>森林火災の多発が予測される秋までにシステムを構築し、12月までマイクログリッド実証を行います。同技術は、米国内での応用のみならず、無電化地域の太陽光や風力発電施設を併設したマイクログリッド、発電機燃料の輸送コストが高い離島での再生可能エネルギーによる100電力供給にも適用することができます。実証事業終了後には実証成果を生かし、RF電池のさらなる普及を通じ、電力システムのレジリエンス向上だけでなく、今後の再生可能エネルギー導入拡大、温室効果ガス排出削減に貢献します。