寄生植物の宿主植物への侵入に必要な遺伝子を同定~深刻な病害寄生植物の防除法 開発に期待〜【日本の研究.com】


寄生植物の宿主植物への侵入に必要な遺伝子を同定
~深刻な病害寄生植物の防除法開発に期待〜
https://research-er.jp/articles/view/93474

>寄生植物は宿主植物のエチレンを感知して侵入を開始する
>寄生植物は、他の植物宿主植物
>に寄生して栄養を奪って生育します。寄生植物に寄生された宿主はダメージを受けてしまい、なかでもストライガやオロバンキなどハマウツボ科の一部の寄生植物は農業病害雑草として、世界的に大きな農業被害をもたらしています。この科の寄生植物は、「吸器」と呼ばれる寄生器官を自身の根に作り、吸器を宿主の根に付着させ、その組織の中に侵入したうえ、維管束をつなげて栄養を吸収します。しかし、吸器がどうやっ

>寄生植物は他の植物に寄生して水分や栄養を吸収して生育します。ストライガやオロバンキなどのハマウツボ科寄生植物は、イネやトウモロコシなどの穀物や、ニンジン、トマトなどの野菜に寄生するため、世界各地で甚大な農業被害をもたらしています。ハマウツボ科の寄生植物は、根に「吸器」と呼ばれる特殊な寄生器官を形成して、宿主植物の根に侵入し寄生を成立させます図1
>。吸器は根に形成されるコブ状の器官で、宿主由来の誘導物質によって誘導され、宿主の根の表面に到達すると細胞の形を変えて宿主組織内への侵入を開始します。しかし、これまで、寄生植物の宿主への侵入に必要な遺伝子は分かっていませんでした。
>今回研究チームは、ストライガと同じハマウツボ科に属する寄生植物コシオガマ図1
>を用いて、宿主植物へ侵入ができない変異体を2つ単離しました。通常、吸器は宿主の存在を認識して宿主植物の根まで伸び、宿主の根の表面に到達すると侵入を開始します。しかし、変異体では、吸器が野生型に比べて長く伸びる性質を持ち、宿主植物に到達しても侵入できないことが分かりました

>本研究によって、寄生植物が植物ホルモンであるエチレンを巧みに利用して、宿主植物へたどり着き、侵入していることが明らかになりました。エチレンはストライガの発芽誘導物質としても知られており、実際、アメリカでは、侵入したストライガを駆除する方法として、他の植物に寄生する前に強制的に発芽させて栄養不足に陥らせて死滅に導く自殺発芽物質として用いられました。本研究でエチレンの新たな機能がわかったことにより、これまでの自殺発芽法が有効ではなかった種の寄生雑草についても活用が進むと期待されます。
>また、本研究では、寄生植物コシオガマのゲノム解読を行い、コシオガマ変異体からの遺伝子同定を行いました。これは、寄生植物を使った分子遺伝学として初めての報告であり、この実験系を用いて寄生植物の寄生機構の解明が更に進むと期待されます。


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