降雨に伴って川に入るミミズが、ウナギの大きな餌資源になる【日本の研究.com】


降雨に伴って川に入るミミズが、ウナギの大きな餌資源になる!
掲載日:2020.11.10
https://research-er.jp/articles/view/93788

>降雨に伴って川の中に供給される陸棲のミミズが、大型河川の下流域に棲む捕食魚(ニホンウナギ)の大きな餌資源になっていることを明らかにした。
>川岸がコンクリート護岸によって覆われると、河川へのミミズの供給が阻まれ、陸域–河川生態系の重要な繋がりが断ち切られる可能性が示された。
>河川環境の修復にあたっては、陸域と河川生態系間の重要な繋がりを回復、維持することも重要であると考えられる。

>ニホンウナギ(左)とその胃から見つかったミミズ(右)
>ミミズは川釣りで最も良く利用される餌の一つであるが、河川生態系内での餌としての役割については良く分かっていなかった。ミミズは流域全体の土壌中に高密度で生息するが、雨の日や雨の後に地表に這い出て、時に川の中で大量に見られることもある。この降雨と強く関連したミミズの河川への大移動は、パルス的資源流入として河川の捕食者へ大きな餌資源をもたらす可能性がある。そこで、利根川下流域の汽水〜淡水域における4水域の計15カ所に調査定点を設定し、3年間毎月、竹筒漁によりニホンウナギを採集し、ウナギがミミズを食べている割合を調べた。また、降雨とウナギによるミミズ捕食との関係についても統計モデルにより検討した。

>胃内容物分析による、全長別ウナギの摂餌メニュー
>ウナギの胃からミミズが出現した2水域の結果を示す。上段の川岸に植生や土が残る地点では赤で示すミミズがウナギの餌の大部分を占める一方、下段のコンクリート護岸化された地点ではミミズが見られない。

>炭素・窒素安定同位体による、ウナギの食性への各餌の寄与率
>ウナギの胃からミミズが出現した2水域における、川岸に植生や土が残る地点の結果を示す。どちらの水域においてもミミズが最もウナギの食性に貢献していることがわかる。

>降雨とウナギのミミズ捕食との関係
>ウナギの胃中におけるミミズの有無と降雨からの経過日数および1月1日からの日数との関係(a)、ウナギによるミミズ摂餌量と降雨量および1月1日からの日数との関係(b)。
>降雨によって駆動される集中的なミミズのパルス的資源流入が、一時的に系外資源の比を高めウナギの食性を一時的にミミズに偏らせる。その結果、PARが低い河川下流域のウナギが系外資源に大きく依存したと考えられる。
降雨に伴うミミズのパルス的資源流入による系外資源の比の一時的増加が、多様なミミズ種の存在により複数の季節を跨いで生じる。その結果、安定同位体で確認された、ウナギ食性に対するミミズの長期的な影響が表れたと推察される。


ミミズは、川岸に植生や土が残る調査地点に生息するウナギのみが利用しており、コンクリート護岸によって覆われた地点のウナギの胃からは見られなかった。そのため、コンクリート護岸は、ウナギにとって重要なミミズの供給を阻んでいる可能性があり、河川環境の修復にあたっては、陸域と河川生態系の繋がりを回復、維持することも重要であると考えられる

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