新しい分散型多数決アルゴリズムを開発~センサネットワークの知能化に貢献~【 日本の研究.com】


新しい分散型多数決アルゴリズムを開発 ~センサネットワークの知能化に貢献~
掲載日:2020.11.20
https://research-er.jp/articles/view/94110

>北九州市立大学
>名古屋大学大学院工学研究科の東俊一教授は、北九州市立大学の永原正章教授と共同で、センサネットワークにおいて2値信号の交換で多数意見を決定する分散アルゴリズムを開発しました。

>センサネットワークとは、センサノードと呼ばれる計測、記憶、通信の機能を有する端末を、計測対象をカバーするように多数配置して、分散計測を行うシステムです。そこで必要とされる機能のひとつとして知られるのが「多数決」です。たとえば、計測対象が「正常」か「否」かを判定するときには、各センサノードがそれぞれ独立に正常か否かを測定し、その「多数」をセンサネットワーク全体としての結論にすることが行われます。
>一方、センサネットワークでは、センサノードの機能が限られていることが多く、そのような場合には多数決を行うことは容易ではありませんでした。本研究では、そのような場合のひとつとして、各センサノードが情報交換をするときに、単位時間あたりに0か1のいずれかの情報しか送信できない状況を検討しました。そして、各エージェントが近傍のエージェントと情報交換をするとき、「0を知らせる」か「1を知らせる」を確率的に決めるアルゴリズムを開発しました。この方法によって、各エージェントをつなぐネットワーク構造が、強連結かつ平衡という性質を満たすときには、ネットワーク構造の情報を使うことなく多数意見が決定できることを数学的に証明し、センサネットワークでの異常検出問題に応用できることを示しました。

>【成果の意義】
>センサネットワークでは、コストの観点から、各エージェントの機能が極めて限られることが多い。特に、メモリ容量や通信能力が限られていることが多く、そのような場合にも多数決を実施できるアルゴリズムが求められていた。本成果は、そのような場合の主要技術になることが期待される。また、センサネットワークだけでなく、スマートグリッドやスマート交通システム(一般的にはマルチエージェントシステムと呼ばれる)などにおける多数決問題にも利用することができる。

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