朝日 2020年12月29日
https://www.asahi.com/articles/ASNDW54GDNDBULFA02T.html?iref=com_rnavi_rensai_1
>ベーシックインカム(BI)を提唱する専門家は複数います。元日本銀行審議委員で名古屋商科大ビジネススクール教授の原田泰(ゆたか)さん(70)もその一人です。
>「あらゆる人に無条件で基本的な生活ができる所得を分配することです。『あらゆる人に無条件で』というところが力点です。いまの社会保障制度は、政府が特定の人を選んで渡すものです。生活保護がそう。年金も年齢によります。コロナ対策で全住民に無条件で10万円が配られた特別定額給付金は、ベーシックインカムに似ていました」
>「ベーシックインカムは壮大なバラマキです。よくバラマキは悪いとたたかれますが、10万円配布に至る政府内の混乱で、本当に困った人を選ぶ能力に疑問符がついた。それならばらまいた方がいいという意見の説得力が増しました。多くの人がいつ所得を失うかわからないという恐れも感じた。最低限の所得が配られる仕組みもいいと考えた人は多いと思います」
>「生活保護より少し金額は減りますが、ベーシックインカムはもらいながら働くことを否定しない。生活できないほどではないと考えています。不正受給のための偽装離婚などもチェックしなくてすむ。かつて子供がバイトでためた進学費について、生活保護費から削ったことが問題視されました。削らないようになりましたが、稼いだお金が進学費のためのものか遊ぶためのものかの区別は難しい。『お目こぼし』でなく、働くことを認めたほうがよいのではないでしょうか」
>政府が最低限の生活を保障すべきだという考えのもと、あらゆる人に定期的に一定額のお金を配る制度。保有資産や働く意思などの条件をつけず、会社や世帯主を通さないで個人に直接配るのが特徴とされる。スイスでは可否を問う国民投票があり、フィンランドでも実証実験がなされるなど、海外では導入に向けた具体的な議論が進んでいる。
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