文学フリマ、緊急事態宣言全国拡大を受けて感染者のいない岩手でも中止に

 文学フリマ事務局からのメールニュースにて、文学フリマ岩手の中止が発表されました。
 昨日緊急事態宣言対象地域が全国に拡大されましたが、4/17現在、岩手県では未だ感染者は出ておりません。

 その岩手県でも、イベント休止に追い込まれる事態になっています。

以下、文学フリマ事務局からのメールを引用


※本メールの内容は公式サイトにも掲載しております。
https://bunfree.net/information/tokyo30_cancelled/

■2020年5月6日(水祝)「第三十回文学フリマ東京」開催中止のお知らせ

「第三十回文学フリマ東京」にご出店・ご来場予定の皆さまにお知らせいたします。
5月6日(水祝)に開催を予定していた「第三十回文学フリマ東京」は、【中止】といたします。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の国内での拡大状況・行政の発表等を鑑みての判断となります。詳細は後述いたします。
開催を楽しみにしていただいた皆さまには、心よりお詫び申し上げます。

すでに11月22日(日)「第三十一回文学フリマ東京」の開催が決定しており、6月以降も各地で文学フリマの開催が予定されていることから、「第三十回」東京開催は延期や振替ではなく中止とします。

出店者の皆さまには出店要項に沿って、お預かりした出店料から現時点までにかかった経費および中止にあたって生じる経費を差し引き、「出店料の50%」を返金いたします。
返金手続きに関する詳細は、出店者の皆さま宛に個別にお送りしたメールをご確認ください。

なお、「第三十回文学フリマ東京」は現在の地域の状況や例年の開催規模など東京開催独自のさまざまな事情を勘案し、中止を選択いたしました。
本イベントの措置を引き合いに出して、他の類似イベントや6月以降の文学フリマ(他地域を含む)に対して同様の判断を迫るような言動は慎んでいただきますようお願いいたします。
6月以降に開催予定の他地域の文学フリマに関しては、状況を注視しつつ開催に向けて準備を進めており、現時点では開催する予定です。
各開催ごとに開催状況はお知らせして参ります。

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●「第三十回文学フリマ東京」中止判断の理由

文学フリマ事務局では国内で新型コロナウイルス感染症が問題となりはじめた2月より、政府や関係機関から公知されている一次情報を収集し、文学フリマの開催に関する検討を行なってきました。
3/19の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の「状況分析・提言」では、新規感染者数が都市部を中心に漸増していることが警告されています。
新型コロナウイルスの感染対策については「密閉空間・密集場所・密接場面」の3要件の回避が肝要であるとされているものの、全国的な大規模イベント開催については、「大規模イベント等を通して集団感染が起こると全国的な感染拡大に繋がると懸念され」るともしています。提言ではさまざまな対策案や具体例も示されており、「リスクへの対応が整わない場合は、中止又は延期をしていただく必要がある」としていますが、さらに「仮にこうした対策を行えていた場合でも、その時点での流行状況に合わせて、急な中止又は延期をしていただく備えも必要」とも表明しています。

この「状況分析・提言」を受け、事務局ではまず可能な限りの具体的な対応策を検討しました。
また、新型コロナウイルス感染症の国内外の拡大状況や、他の全国規模の催事(大規模な展示商談会、スポーツ、ライブイベントなど)の対応状況についても情報を収集し、文学フリマの理念と目的(リンク https://bunfree.net/entry/terms/#i )に照らして、総合的に開催の可否について検討いたしました。

その結果、以下のような理由で「中止」を決定いたしました。

・「第三十回文学フリマ東京」においては、専門家会議の提言に準じた感染症対策を実施しても、参加者の皆さまが交流や売買を楽しめるような環境を提供することが困難になり、ひいては文学フリマの理念と目的「既成の文壇や文芸誌の枠にとらわれず〈文学〉を発表できる「場」を提供すること、作り手や読者が直接コミュニケートできる「場」をつくること」の実現が困難であると判断したため。
・人の往来が増加するゴールデンウィークは、より感染症への警戒が必要となること。また、ゴールデンウィークの前半に各地で集団感染などが発生した場合、5月6日の「文学フリマ東京」は非常事態宣言や都市封鎖など強制力のある中止命令で開催不可能になるリスクがあるため。

その他、東京都での感染の広がりや大都市圏での感染拡大リスクの相対的な大きさ、文学フリマに参加される重症化リスクの高い方々への配慮、海外での深刻な感染状況、各種大規模イベントの中止決定などの出来事を総合的に鑑みて、今回の中止を決定いたしました。

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●皆さまへのお願い
・関係者の皆さまへの情報共有にご協力ください。事務局からも情報発信をしておりますが、念のため出店メンバーや知人の出店者、来場予定の方などにも、「第三十回文学フリマ東京」が中止となったことをお伝えいただくようご協力ください。

・会場や関係業者との連絡調整等のため、お問い合わせを頂いた場合でも、回答が遅れる場合がございます。もしお問い合わせ頂いたとしても、現時点ではWebサイトおよび出店者の皆さまへのメールに記載した事項のほかにはお知らせできることがございません。あらかじめご了承ください。

・会場への直接のご連絡は迷惑となりますので、おやめください。

・不確実な情報の発信はおやめください。文学フリマ事務局では本件に関して、公式Webサイト、ニュースレター、出店者の皆さま宛のメール、SNSの公式アカウント以外の手段で発表することはございません (郵送や電話での連絡は原則として致しません)。必ず一次情報をご参照ください。

・参加のために予約した宿泊施設、交通機関(新幹線・飛行機など)のキャンセルは、ご自身で早急にお手続きください。※新型コロナウイルス感染症に伴う対応として、キャンセル料なしで払い戻しを実施している施設、交通機関が多くあります。

・ご自身のSNS等での参加予定等の記述削除や変更を忘れないようにお願いいたします。
 Twitterのアカウント名、固定ツイート、自動投稿などにご注意ください。

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■11月開催の出店受付を3月27日(金)0:00より開始します

今回の告知にあわせ、受付開始を一時見合わせていた11月22日「第三十一回文学フリマ東京」の申込受付を
【3/26 24:00(3/27 0:00)】より開始します。
11月東京開催にご出店を検討中の皆さまは、こちらにお申し込み下さい。
お申込手順は以下のページをご覧下さい。
https://bunfree.net/entry/how_to_entry/
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●今後のお知らせについて
今後、本お知らせに関して追記事項等が発生した場合には、

・文学フリマ公式Webサイト(本ページ)
・文学フリマニュースレター(※重要なお知らせの場合のみ)
・出店者様宛のメール (出店者のみ関係する事項の場合)

上記の手段でお知らせするものとし、補助的にSNS等で呼びかけをいたします。
(事務局がこれら以外の手段を用いてご案内することはありません。ご注意ください。)

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■文学フリマ事務局代表より皆さまへ (文学フリマ事務局代表・望月倫彦)

【「第三十回文学フリマ東京」の開催中止をお詫び申し上げます。】
 このたび、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患された皆さまおよび関係者の皆さまに、謹んでお見舞い申し上げます。

 残念ながら、2020年5月6日に開催を予定していた「第三十回文学フリマ東京」は、新型コロナウイルス感染症に起因する複数の理由により中止といたします。
3月の「第四回文学フリマ前橋」に続き、開催中止となってしまいました。ご参加予定であった皆さまに深くお詫び申し上げます。
 ほんの数週間で新型コロナウイルス感染症は世界中で深刻な事態を引き起こしています。
幸いなことに日本はまだ医療崩壊のような最悪の事態には至っていませんが、感染拡大はいまだに続いており、予断を許さない状況と見られています。
 主催者としてはなんとか開催したい気持ちもありましたが、イベントの開催と皆さまの感染リスクを天秤にかけることはできません。
 参加者や出店者の皆さま、そしてスタッフにとっても、今回は中止という選択肢が最善であると確信しています。
 また、今回の開催についてすでに諸経費が発生しているため、出店者の皆さまには出店料50%の返金となることをご容赦ください。
事務局では3月上旬から中止の可能性を考慮し入場証の発送など一部の作業を保留していたため、50%の返金までは可能となりました。ご理解のほど、重ねてお願い申し上げます。

【文学フリマはなくなりません】
 皆さまにご安心いただきたいのは、今回の東京開催中止では「文学フリマはなくならない」、ということです。
 文学フリマはいまや大阪・福岡・札幌・岩手・京都・前橋・広島の各地域に事務局があります。
 2011年3月に東日本大震災が発生したとき、私は文学フリマを東京だけでしか開催していないことの危険性を痛感しました。東京で開催が不可能になれば、文学フリマという運動そのものがなくなってしまう。
東京以外の場所でも文学フリマの種を蒔いていかなければならない。そんな危機感が2013年の大阪開催に繋がり、そして2014年の「文学フリマ百都市構想」へと発展していきました。
 文学フリマは震災以降、時間をかけて持続可能性の高い体制づくりを進めてきたため、今回の東京開催の中止で文学フリマがなくなることはありません。

【作品を作り続けてください。作品を読みつづけてください】
 5月の文学フリマ東京に出店予定だった皆さまは、目の前の目標が遠のいてしまい落胆されていることと思います。
そして来場予定の皆さまは、楽しみにしていた作品に触れて作者と交流する機会が先送りになり、淋しい思いをされているだろうとも思います。申し訳ありません。
 ですが、出店予定だった皆さまはぜひ活動を止めず、ご自身の作品の執筆を続けてください。
そして、もし可能なら、今後の文学フリマに向けて、作品を作ってください。
来場予定だった皆さまは、ぜひ好きな作品を読み続け、可能であれば作品の紹介や感想、作り手の皆さんに対する励ましの言葉などを届けつづけてほしいと思います。
 文学フリマは「文学のみならずすべての文化・芸術活動をより身近で、より豊かなものにする」ために、各地域で新たな創作者、愛好者、継承者を生み出すことを目指しています。
そしてこのような困難な局面にあっても、表現すること、表現を受け取り愛好すること、表現を受け継ぎはぐくむことは、文化・芸術に関わる全ての人たちにとって、きわめて重要な営為だと私たちは考えています。
 また、個人の表現者を支えてきた同人誌印刷所が、昨今の状況で苦しい状況に置かれています。
もちろん苦しい業種は他にもたくさんありますし、新型コロナウイルス感染症に悪影響を受けていない人はいません。
ただ、文学フリマに参加する出店者の皆さまには、同人誌印刷所のことをすこしでも心に留め置いていただければと思います。

【行政の“補填なき自粛要請”は、民間に負担を強いています】
「第三十回文学フリマ東京」の中止という結論に至った理由のひとつに、このまま開催の方針で進めたとしても、国内の感染状況が悪化すれば緊急事態宣言や都市封鎖などで開催直前に急遽中止に追い込まれるリスクを想定したことがあります。
直前での中止となると出店者や来場者はもちろん、印刷所や飲食業者、配送業者などにも、より大きな損害が発生してしまいます。

 しかし、それだけではありません。
 先日、開催を決行したことで行政から名指しで批判される大規模イベントの事例がありました。
行政の推奨する感染症対策を講じてイベントを開催したとしても、社会的な批判を受けることが明らかになりました。
 そして今、展示即売会に限らず演劇、ライブ、スポーツ興行などあらゆるイベントの主催者は、強制的な中止ではなく“自粛”というかたちをとらされることで、会場など諸経費の返金をうけられず、保険も適用されず、行政からの補助もなく損害を被る状況に追い込まれています。
「進むも地獄、退くも地獄」なのです。
イベント主催者として率直に申し上げれば、恐怖を感じます。
 専門家会議の提言には「感染対策のあり方の例」として「体調不良の方が参加しないように、キャンセル代などについて配慮をする」という文言があります。
ですが行政の自粛要請は、主催者や参加者、関係企業がイベント中止に際して負担する費用についてまったく配慮をしていません。
専門家会議の提言に沿うなら、行政はイベントを中止・延期しやすいような補填の枠組みを提示した上で自粛要請をすべきではないでしょうか。

 このようなことを書けば、批判が寄せられることもわかっています。
ですが、現場の人間が声をあげることをお許しいただきたいと思います。
事実として、多くのイベント主催やその関連企業が感染拡大を防止するという公共の利益のために、対策費用やリソースを投じたり活動を自粛したりと、経済的にも社会的にも損害を被っている状況が続いているのです。
 イベントの主催者は感染症予防のための組織ではありません。行政が感染症対策としてイベントに中止を求めるなら、その負担を民間に丸投げするのではなく、適正な補助が行われることを望みます。

【今回の検討内容は全国の文学フリマ・アライアンスと共有し活用します】
「第三十回文学フリマ東京」は最終的に中止としましたが、その結論に至るまでは開催に向けて具体的な感染症対策を検討し準備もすすめておりました。
また、中止の可能性も踏まえたスケジューリングや、出店者との情報共有の手順なども整備しました。
これには、2月の「第二回文学フリマ広島」開催時に行った感染症対策のフィードバックや、3月の「第四回文学フリマ前橋」の中止に際して得られたノウハウが反映されています。
 この知見は文学フリマ百都市構想の理念に基づき、全国の文学フリマアライアンスメンバー(大阪・福岡・札幌・岩手・京都・前橋・広島の各事務局)と共有されます。
この難局を乗り切るため、全国での連携を高めていく所存です。
 皆さまもぜひ、地元の文学フリマを応援していただければ幸いです。

 最後に、この新型コロナウイルス感染症から人々の命を救っている医療従事者の皆さま、生活必需品を供給している商店や運送業者や生産者の皆さま、感染症拡大防止のために自粛に耐えているイベント・飲食・観光・エンタメなど多岐にわたる業者の皆さま、
この感染症に立ち向かっているすべての方に、深い敬意と感謝を捧げます。

文学フリマ事務局代表・望月倫彦


 行政のあり方について、かなり踏み込んだ発言が出ています。

 「自粛(休止協力)と補償はセット」。本来当たり前のことが出来ていません。
 自治体レベルでは、緊急事態宣言を受けて休業要請を出した業種への”協力助成金”を出しているところもありますが、それでも数十万円です。自治体レベルの財政ではそれが限界でしょう。

 国は本気で感染防止をする意志があるなら、国自ら休止補償をすることを決断すべきでは無いでしょうか。


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