4/23、性被害や家庭内暴力から逃れた少女を支援する非営利団体「Colabo」を運営する仁藤夢乃氏のTwitterアカウントで、「自民党議員の非常識な視察」を告発するツイートがありました。
一昨日、自民党議員から、バスカフェに国会議員で視察に行きたいと連絡がありました。若年女性の置かれた現状を知ってもらえるならと、5人までなら受け入れられることを伝えていました。
— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) April 22, 2020
※バスカフェ=「Colabo」が運営する性虐待・家庭内暴力等の被害少女の居場所を確保する為の臨時滞在場所。政府によるCOVID-19(新型コロナ)緊急事態宣言によって避難場所を追放された被害少女の受け皿にもなっている。
昨日のバスカフェ時、指定していた集合時間に数名の方がいらしたので、その方だけかと思っていたら、集合時間を過ぎてから、次々と男性たちが(威圧感のあるスーツ姿で)活動場所にやってきました。
事前に訪問予定者を聞いていたのに、連絡がなく、3.4人で来ると聞いていたのに、国会議員だけではなく、— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) April 22, 2020
秘書や新宿区議など、ぞろぞろ15名ほど。挨拶をしない人もいて、挨拶を求めても「秘書です」としか名乗らない人もいて、誰か誰なのかわからないまま、許可していないのに、写真を撮影する人もいました。活動を一緒にしているメンバーには、居場所がわかると身の危険がある10代の子たちもいるのにです
— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) April 22, 2020
やってきた方の中には、私のことや活動のことも全く知らない様子の方もいました。
そして、私に対しては、「若い女の子たちを引き連れてすごいね」などと言ってきました。
10代のメンバーは一緒に活動している仲間で、彼女たちが率先してアウトリーチを担っているのに。— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) April 22, 2020
その後、バスの設営にも加わってもらいましたが、男性国会議員が大きな声で秘書を呼びつけて、荷物を運ばせようとする態度などから、10代のメンバー(虐待や性暴力被害に遭うなどして
もその関係性や偉そうな態度に驚き、怖がっていました。— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) April 22, 2020
さらに、設営中、10代のメンバーの後ろを通った男性国会議員が、「ちょっと退いて」と言いながら、10代のメンバーの腰を触りました。セクハラです。性暴力です。
彼女は、性暴力被害に遭ったこともあり、精神的なショックを受けています。— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) April 22, 2020
仁藤氏は議員名を明かしていないが、男性国会議員は自民党の馳浩衆院議員(石川1区)であることがすぐに判明する。
撮った写真を事もあろうにfacebookに無断で晒していた。(現在は削除)
自民党の浩馳議員は、FBに写真を掲載されているようです。何かわかるかも。https://t.co/dH8SDNvsY9
— yotaro 生きるぞ、子供たちのために 社会的弱者を救おう (@yotaro921) April 22, 2020
「こっちが活動を見せてあげてるのに、すごく偉そうで無理だった」「邪魔しに来ないで欲しい」「態度デカすぎ。気持ちをわかってくれないと思う」「自分を一番に考えていて、わかろうとしてない」「なんでそんな人たちが議員なの?」と10代のメンバー。女の子たちや活動への尊重は感じられませんでした
— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) April 22, 2020
一部に勘違いしている人がいるようですが、このバスカフェは国や東京都などからの財政などの支援を受けているわけではありません。
(本来なら国や都がやるべき事なんですが、それは脇に置くとして)
自民党議員らによる10代女性を支援する『Tsubomi Cafe』視察における問題のある言動や少女に対するセクシャルハラスメント行為についての抗議文と要望書を該当議員にお送りし、こちらで公開しました。https://t.co/pSnwI8UmSI
— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) April 24, 2020
この日の夜、毎日新聞がWeb版でこの件を取り上げた。
視察「許可なく撮影」「すごく偉そう」 少女支援の集い、自民議員に抗議
毎日新聞 2020年4月23日 20時30分(最終更新 4月25日 14時33分)
https://mainichi.jp/articles/20200423/k00/00m/040/213000c
>視察に訪れたのは、自民党の馳浩・元文部科学相が会長を務める「ハウジングファースト勉強会」。コラボは虐待や貧困などの困難を抱える10代女性を支援している団体で、勉強会は、「新型コロナウイルスの感染拡大で居場所の確保に困っている人の現状を知り、支援を検討するため」(事務局)視察を申し込んだ。
>勉強会の事務局を務める阿部俊子衆院議員の事務所によると、参加した人数や問題とされている言動について詳細は把握していないが「当初先方から言われていた数より多い人数で参加したのは事実。議員間のコミュニケーション不足だった」としており
これに対し、馳衆院議員はボランティアだったと開き直り、火に油を注ぐ。
仁藤さんのツイッターをリツイートしますが、来られた国会議員のSNSを確認したところ「ボランティア活動で参加してきました」と書いてあって、それにも驚きました、と。
最初3〜4人なら視察対応できるとしたのに、大勢での視察、カメラでの撮影等の対応、三密そのものでは。必要なのは予算措置です https://t.co/HlqHC4fUPr
— 蓮 舫 ・ 立 憲 民 主 党 ( り っ け ん ) (@renho_sha) April 23, 2020
ボランティアと思っていたとは、驚きとショックです。視察は相当な負担を負って受け入れるのですから、当然のこととしてColaboでは相手が誰でも設営の手伝いをしてもらい、設営が終わったタイミングで、バスカフェが始まる前の時間までで活動説明をしています。女の子の腰を触っておいてボランティア? https://t.co/QDnhJ6X9qw
— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) April 23, 2020
翌24日の毎日の続報で、「視察」を企画した阿部俊子衆院議員が罪の意向を表明するも、「責任はすべて、阿部にあります」と馳衆院議員の責任を不問に付すような言動をしたことから、事態は更にこじれる。
がっかりしました。口だけの謝罪ではなく、これからの言動で示してほしいです。」
— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) April 24, 2020
この惨状は、地元石川県のマスコミも取り上げている。
25日になって、馳衆院議員がマスコミ取材で謝罪の意向を報じる。
仁藤氏によると
この件について、これまでに視察にいらしたどなたからも回答や連絡はありません。 https://t.co/WiUa7u2Tw9
— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) April 25, 2020
とのこと。
仁藤氏は、この件に関するマスコミ(週刊誌?)の姿勢に対しても苦言を呈している。
見ず知らずの記者から電話がかかってきたり、Colaboの10代向け相談LINEへ取材依頼の連絡が来たり、活動現場に突撃されたりすることがあるけど、本当に迷惑。活動を尊重せず、安全安心を脅かすような行動。そういう取材はお断りと何度も書いているのに、事前に調べてもいないんだというのもわかる。
— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) April 25, 2020
取材のお問い合わせはHPから事務局担当者までお願いします。企画書を拝見し、可否を検討しています。
Colaboの活動がどんな危険にさらされ、どんな配慮をしながら行われているかを調べていれば当然のことと思います。— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) April 25, 2020
ちなみに、馳浩衆院議員は、森喜朗元総理大臣の腹心。
森政権の時に、民主党(当時)の奥田衆院議員の牙城だった石川1区を切り崩す為に、プロレスラーから転身して刺客として送り込まれた人物。
という事情を考え合わせると、「ああなるほどなあ」という感想しかないですね。
この人は自民党の中ではリベラル寄りだと擁護した国民民主の衆院議員のツイートが炎上してますが、リベラルどころか老害of老害たる森喜朗の流れを組む人物なわけです。
そもそも、「視察」の目的からして、「新型コロナ対策の一環」としてやっているわけで、決して被害少女救済事業に目を向けたものでは無いわけです。
(バスカフェ自体は昨年から既にやっていることなのに、今頃になって何を視察するというのか。)
弁解のしようがない、ということを自民党も承知しているからこそ、現在(※4/25夜)に至るまで抗議文に対する返答が出来ないのでしょうか?
この問題は現実に被害者が出ている以上、「新型コロナ」を理由に先送りしていい話ではありません。
党の体質の問題でもあるのですから、自民党総裁たる安倍晋三の責任も当然問われねばなりません。
安倍晋三も森喜朗や馳浩と同じ清和会なわけですし。