>新型コロナウイルス感染拡大による雇用危機が深刻です。コロナ関連で解雇や雇い止めをされた人は約5万5000人に。毎月約1万人増え続けています。ハローワークに職を求めにきた人に話を聞くと―。
>アルバイト先も少ないため、知り合いの店で雇ってもらい、失業給付と合わせて生活費を稼ぎながらハローワークに通っています。「またアシスタントのやり直しはいやです。これまでの経験を考慮してもらえるところで働きたい」
>技術職としての経験は10年以上。20万~40万円あった月収は4月以降、0~10万円以下に激減しました。フリーランスのため失業給付もありません。地方から上京して1人暮らしです。持続化給付金の100万円は底をつき、家賃を払うこともできません。
>厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症に起因する解雇や雇い止め者数は、9月11日時点で見込みを含め5万4817人(前週から2309人増)と発表。統計を取り始めた2月は282人でした。
>産業別では、製造業9027人、宿泊業7795人、飲食業7536人、小売業7083人と続きます。人数は労働局などで把握したものに限られており、実際の解雇者はさらに多くなります。
>さらに、200万人超いるといわれるフリーランスを本業とする人たちは調査の対象に含まれていません。コロナの影響で仕事を失った人はこの数を大きく上回るとみられます。
>定額給付金の10万円をもらいましたが、家賃や生活費には足りず、貯蓄を崩し節約して過ごしています。「私は何とかなりますが、実習生は本当に困っています。日本に来るための借金が残っている。実習生を助けてほしい」
>ハローワーク渋谷の職員は、コロナ解雇について「確かに増えています。若い方からの相談も多い」といいます。なかでも失業給付の窓口は「連日、人であふれており、まったく減らない」状況だと話します。
>歴代の自民党政権は労働規制緩和を進め、非正規労働者は全体の4割にまで増えました。菅義偉政権は「安倍政権の継承」「規制改革」を掲げており、働く人の権利保護にかじを切るとは思えません。
>一方、労働組合や私たちの運動で正規・非正規の格差解消につながる法律も少なからずできました。しかし、まだまだ足りない。この動きを前進させることが重要です。
>そして仕事で、職場で、少しでも「おかしい」と感じたら、すぐに弁護士や労働組合などの専門家に相談してほしい。不当解雇や違法行為の可能性もあります。今ある法律や制度を徹底的に活用し、生活と命を防衛してください。
>日本労働弁護団ホットライン(相談料無料)月・火・木(午後3時~6時)、土(午後1時~4時)電話03(3251)5363