二酸化炭素と水が室温で反応することを発見:二酸化炭素固定・有価物質変換に期 待【日本の研究.com】


1次元凹凸周期構造フラーレンポリマー薄膜内の特異なナノ空間反応場を使って二酸化炭素と水が室温で反応することを発見
二酸化炭素固定・有価物質変換に期待

https://research-er.jp/articles/view/93424

>1次元凹凸フラーレン(C60)ポリマー薄膜内の特異なナノ空間反応場を利用して、大気中の二酸化炭素(CO2)と水(H2O)とが室温で反応し炭酸イオンが生成することを新たに発見しました。
>地球温暖化の原因である二酸化炭素の固定化および有価物質変換は、「エネルギー・環境イノベーション戦略(NESTI
>2050)」において分野別革新技術として位置付けられています。今回、名古屋大学大学院工学研究科の尾上教授がこれまでに見出している1次元凹凸周期構造を有するフラーレンポリマー薄膜(フラーレン、ナノチューブ、グラフェンとは異なる新奇な物性を示す)を室温で大気暴露しただけで、大気中の
>CO2とH2O
>が薄膜内で反応し炭酸イオン(CO32–)が生成していることを発見しました。この系は、気相中での活性化エネルギーが約
>あり、室温で起こらない反応です。また、同じサイズのナノ空間を有する
>C60薄膜を室温で大気暴露しても、CO2とH2O
>はナノ空間内で反応は起こらなかったことから、ナノ空間を構成しているフレームワークも室温での反応に関与していることが分かりました。
>大阪大学大学院基礎工学研究科の北河准教授らは、1次元凹凸フラーレンポリマー薄膜内のナノ空間を簡略化したモデル構造を用いて第一原理計算を実行した結果、ポリマー鎖間に架橋する形でピン留めされた
>CO2分子の変角振動による活性化と、鏡像効果にともなうポリマーの分極により、CO2がH2O
>と容易に反応しうる可能性を示唆しました。
>本研究では、二酸化炭素の固定および有価物質変換の特異な反応場になることが期待されます。
< >本研究は、2018
>年度から始まった
>科研費基盤B(18H
>)および
>年度から始まった科研費基盤
>C(19K
>)の支援のもとで行われたものです。

>1次元凹凸周期構造フラーレンポリマー鎖から構成されるナノ空間が、二酸化炭素と水を室温で反応させる特異な反応場として働いていることを発見しました。
>CO2を活性化していることから、固定化だけでなく有価物質に変換できる反応場として期待できます。

>地球温暖化を抑制するためだけでなく私たちの地球環境の持続的改善のためには、CO2の固定化と再利用は緊急の課題です。これらの課題解決の
>つの可能な方法として、ナノメートルサイズの空間を有するゼオライトや金属有機骨格体(用語説明参照)などのナノ多孔質(ナノポーラス)材料を用いることが挙げられます。
>これらの材料は、分子やイオンを貯蔵する・交換する・分離する・反応させる性質を有しており、合成・医療・電子工学・触媒・エネルギー貯蔵、および環境工学へ広く応用されています1
>。もし、ナノポーラス材料が高い電気伝導性や高い耐熱性を有すれば、電気化学または熱処理を利用して、ナノスペースでの化学反応をさらに促進することが可能になります。

>大気暴露後に出現したピークと予測される生成物の理論スペクトル(f-i)と比較することにより、炭酸イオン(CO32–)が生成していることを突き止めました。
>実際、大気暴露した薄膜を真空中で加熱しながら質量分析(用語説明参照)した結果、H2OとCO2が放出されることを確認しました

>【成果の意義】
>二酸化炭素と水の反応は、活性化エネルギーが
>あるため、反応させるのには大きなエネルギーを必要とするが、今回、1次元凹凸周期構造を有するフラーレンポリマー薄膜内のナノ空間で、室温で反応が容易に進行したことは、二酸化炭素の固定だけでなく、二酸化炭素を有価物質に変換できる可能性を秘めた特異な反応場であることは、学術的かつ
>の観点から意義は大きいと言えます。

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