山間部の風力発電の設備利用率、夜間は中間の約2.8倍【日本の研究.com】


九州大学応用力学研究所の内田孝紀准教授は、ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社(JR)と共同研究(風力発電にお

【日本の研究.com】 2020年12月16日
https://research-er.jp/articles/view/95263

>九州大学応用力学研究所の内田孝紀准教授は、ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社(JRE)と共同研究(風力発電における風況予測の精度向上に関する研究)を実施し、山間部の風力資源予測に対する大気安定度の影響解明に成功しました。
>一般的に、地表面近くの空気層は大気境界層と呼ばれ、鉛直方向に温度(密度)が変化する成層状態を形成しています。特に夜間においては、上空に向かって温度が高くなる(密度が小さくなる)安定成層流が形成されます。この安定成層流が複雑な地形を過ぎる場合には、大気中の温度変化が無い昼間の中立成層時には見られない様々な波動現象や流動現象が出現します。そのため、安定成層時に形成される風況特性を正確に予測し、把握することは、風力エネルギーの有効利用、大気汚染物質の移流拡散現象予測、森林や農作物の風害対策などに極めて重要です。
>そこで、内田准教授はJREとともに、典型的な複雑地形を対象とし、中立成層時と安定成層時における数値風況シミュレーションを実施しました。1年間の仮想データに基づいて2MW級の大型風車の経済性評価を行い、大気安定度が与える影響について考察を行いました。両ケースにおける風車の設備利用率の比較を行った結果、安定成層時の設備利用率は中立成層時の2.775倍も増加することを明らかにしました。国内外の風力業界でこれまで実施されてきた経済性評価は、中立成層時のみを対象としたものが大半でしたが、今回の研究により、実際の気象条件に照らし合わせ、大気安定度の状況を考慮することで、より正確な風力資源予測が実現可能であることを示しました。
>ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社(JRE)との共同研究は現在も継続中です。本研究で開発したシミュレーション技術は洋上ウィンドファームの風力資源予測にも適用化です。日本版の大規模陸上/洋上ウィンドファームの実現を目指します。

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 風力発電も太陽光発電同様、気象条件によって出力が左右される性質の自然エネルギー源ですが、太陽光発電とは相補関係にあるという指摘が従来からされてきました。
 この研究成果で、風力発電は夜間の方が効率が良いと湿されたので、少なくとも夜間時には発電が止まる太陽光発電を風力発電で補える可能性は示された、と言って良いでしょう。

 単一の発電方法に偏るのでは無く、条件次第で複数の安全な発電方式を組み合わせていくことが重要です。

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