旭川厚生病院最初の感染者確認から3週間を経ても終息の気配はなく【北海道新聞 】


【北海道新聞】>2020年12月14日

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/491144/

2020年12月14日

>【旭川】新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が国内最大となった旭川厚生病院。最初の感染者確認から3週間を経ても終息の気配はなく、同病院は12日も新たに12人の感染を発表し、感染者は281人、死者は25人となった。院内関係者は「気づいた時には広がっていた」と証言するが、専門家は無症状の医療従事者が院内を移動するうちに感染を広げた可能性を指摘。今春に200人規模の集団感染が起きた東京都台東区の永寿総合病院と同様、「見えない感染者」が感染を広げた共通項が浮かび上がってくる。
>「最初の検査で陰性となり、勤務を続ける職員に無症状の感染者がいるかもしれない」。旭川市保健所の浅利豪・新型コロナウイルス感染症対策担当部長は11日、感染者が出た病棟で働く看護師ら数百人の医療従事者を対象に大掛かりな再検査を始めたと明らかにした。12日は80人の結果が出て、数人の陽性が判明。知らぬ間に感染し、院内を歩き回っていたスタッフの存在が浮き彫りとなった。
>市保健所が旭川厚生病院で29人が感染するクラスターが発生したと発表したのは11月22日。高度医療や急性期医療を担い、新型コロナの患者も受け入れていた市内の5基幹病院の一つだけに、市内の医療関係者の間では緊張感が走った。
>市保健所や同病院は直後から全ての職員、入院患者ら約1500人の検査を急ピッチで進め、災害派遣医療チーム(DMAT)も参加する対策本部を設置。関係者の間では「クラスターはすぐに終息する」との見方が広がり、同病院も外来診療の休止期間を「11月24~29日」と発表していた。
>■勢い止まらず
>だが、感染者は同28日に3桁となり、12月5日には国内最大のクラスターとされていた永寿総合病院の214人を超え、300人を超えそうな勢いが続く。なぜここまで感染が広がったのか。畑山尚生副院長は「1人が発症して周囲の濃厚接触者を調べたら陽性者が出るという繰り返しで、ここまで増えた」と明かす。
>厚生労働省クラスター班がまとめた永寿総合病院の報告書は感染拡大の一因として「病棟間を移動する医療従事者が媒介した可能性」を挙げる。この分析に関わった東北大の押谷仁教授は旭川厚生病院についても「患者は基本ベッドにいて広範囲を行き来しない。病棟や病室を行き来する医療従事者が広げたとしか考えられない」と共通点を挙げ、「無症状の感染者がいるから、早期に感染の連鎖を見つけるのは困難だ」と対策の難しさも指摘する。
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