自閉症や統合失調症、知的障害など、様々な精神発達障害に関わるAUTS2遺伝子の【日本の研究.com】


>自閉症や統合失調症、知的障害など、様々な精神発達障害に関わるAUTS2遺伝子の
>小脳発達における役割を解明
【日本の研究.com】

https://research-er.jp/articles/view/95125

>遺伝子は、自閉症や知的障害、統合失調症、ADHD
>など、様々な精神疾患に関わることが知られています。これまで、主に大脳や海馬を対象とした研究から、この遺伝子がコードする
>タンパクが神経細胞の形態や動きを調節したり、脳発達に必要な様々な遺伝子の発現を調節したりするなど、多彩な働きを持つタンパクであることが示されてきました。一方で、AUTS2
>は小脳にも存在していますが、その役割については全く分かっていませんでした。また、AUTS2
>遺伝子の異常が小脳の機能にどのような障害をもたらし、その結果、精神活動にどのような影響を与えるのかも明らかにされていませんでした。
>本研究グループは、AUTS2
>が小脳の主要な神経細胞の一つであるプルキンエ細胞の成熟やシナプス形成に関わることを明らかにしました。小脳は古くから運動の中枢として知られていますが、近年の研究から、認知機能やコミュニケーションなど、より高次な精神活動にも関わる可能性が示唆されています。本研究グループが
>遺伝子を破壊した遺伝子改変マウス(Auts2
>ノックアウト(KO)マウス)を作製したところ、正常なマウスと比べて小脳が著しく小さくなっていることを発見しました(図1)。発達過程にある
>マウスの小脳では、プルキンエ細胞の神経突起が短く、枝分かれの少ない未熟な形態を示していました。さらに、プルキンエ細胞上に作られるシナプスにも異常が見られ、小脳の神経系ネットワーク形成が破綻していることが分かりました。また、この
>マウスは運動学習に障害を示し、さらには、仲間のマウスとうまくコミュニケーションが取れないなど、自閉症によく似た症状も示すことも分かりました。つまり、AUTS2
>はプルキンエ細胞の成熟を促し、シナプスを介した神経系ネットワーク形成に関わることで、小脳の正常な発達にたいへん重要な働きをする遺伝子であることが分かりました。今回の成果から、小脳発達に果たす
>の役割が明らかになっただけでなく、その異常によってもたらされる様々な精神疾患の理解にも繋がると考えられます。

>これまで、小脳は主に身体の動きをコントロールしたり、新しい動作を学習したりといった、運動を制御する器官であると考えられてきました。しかし最近の研究から、知覚情報の統合や情動の制御、コミュニケーションといった高次の精神活動にも小脳が関わることが示唆されています。また、小脳機能障害によって運動失調をきたす患者さんの中には、自閉症様の症状を示す方もおられることから、小脳の機能障害と精神疾患との関連性についても盛んに研究が行われています。しかしながら、現在のところまだその詳しいメカニズムについては明らかになっていません。今回の成果から、様々な精神疾患に関わる
>遺伝子の小脳発達に果たす役割を明らかにしたことで、今後、小脳の機能障害によって引き起こる運動失調や自閉症などの病態解明や治療法の開発に繋がるものだと考えられます。

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