排便調節の仕組み・神経伝達物質に性差過敏性腸症候群の病態解明に近づく、岐阜 大学【日本の研究.com】

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https://research-er.jp/articles/view/95346

男性に下痢、女性に便秘が多い原因・神経伝達物質の性差を発見
排便調節の仕組み・神経伝達物質に性差、過敏性腸症候群の病態解明に近づく
日本の研究.com掲載日:2020.12.25
岐阜大学

https://research-er.jp/articles/view/95346

>ラットの大腸内に痛みの刺激を与えた場合、オスでは排便と関連する大腸の動きが誘発されるが、メスでは誘発されないことを確認しました。このメカニズムとして、脳から脊髄に下行性疼痛抑制経路を通じて供給される神経伝達物質の成分がオスとメスで異なり、そのため脊髄排便中枢による排便調整の働きがオスとメスで異なることを発見しました。本研究成果は、男性には下痢が多く、女性には便秘が多いという排便異常の性差の一端を明らかにするとともに、過敏性腸症候群などの病態解明に近づくものです。本研究成果は
>このメカニズムを調べたところ、痛みに応答して脳から脊髄に下行性疼痛抑制経路を通して供給される神経伝達物質の成分がオスとメスで異なることが分かった。
オスでは、ドパミンやセロトニンが働き、脊髄の排便中枢を活性化し、大腸の運動を促進することが確認された。メスでは、ドパミンは働かず、セロトニンと

>ストレスのかかる現代社会で急増している病気の1つに過敏性腸症候群があります。過敏性腸症候群は、ストレスによるお腹の不調が慢性的に続くとてもつらい病気です。決して致命的な病気ではありませんが、仕事や勉学に集中できなかったり、旅行やスポーツ、レジャーを楽しめなかったりと、生活の質(QOL)を著しく損なってしまいます。近年ではうつ病との関連も示唆されており、非常に大きな問題となっています。過敏性腸症候群の特徴として症状に性差があることが知られており、男性には下痢が多く、女性には便秘が多いと言われています。しかし、なぜ下痢や便秘といった大腸の動きと関連する症状に性差が出るのかよくわかっていませんでした。志水教授は、このメカニズムを解明することにより、性別に合わせた新しい治療法が開発できると考え、本研究に着手しました。
>大腸に痛みの元となる刺激があると、その情報が脊髄を経由して脳へと伝えられ、痛みとして感じられます。脳が痛みを感じると、痛みを和らげるために、脳から脊髄に下行性疼痛抑制経路を通じて痛みを抑える神経伝達物質が放出されます。これまでに志水教授らは、神経伝達物質のうちセロトニン、ドパミンなどのモノアミンが、痛みを緩和するのと同時に、大腸の運動を促進することを明らかにしてきました。本来は痛みを緩和する経路ですが、脊髄に大腸の運動を調節部位があることと関連して、副次的に大腸にも影響を与えているものと理解できます。
>本研究では、オスとメスのラットに麻酔をかけた状態で実験を行いました。大腸内にカプサイシンによる痛み刺激を与えた場合に、オスのラットでは大腸運動が促進されるが、メスのラットでは促進されないことを確認しました。
>大腸内に痛み刺激を与えた場合、痛み刺激が一次求心性ニューロン、上行性侵害受容経路を通じて、脳に伝わります。脳は痛みを感じると、これを緩和するために下行性疼痛抑制経路を通じて神経伝達物質を脊髄に放出します。本研究では、この神経伝達物質の成分がオスとメスで異なることを確認しました。オスでは、ドパミンやセロトニンが放出され、これらが脊髄の排便中枢を活性化し大腸運動を促進します。一方、メスでは、ドパミンは放出されず、セロトニンと
>今回の研究で、男性には下痢が多く、女性には便秘が多いという排便異常に性差が現れるメカニズムの一端が明らかになりました。この成果によって複雑な過敏性腸症候群の性差の全容が解明できたわけではありませんが、将来的にはストレスによって発生する下痢や便秘を改善する薬を性別に合わせて選択することにつながることが期待されます。試験の前にお腹が痛くなって勉強が手につかなかったり、下痢が怖くて旅行やレジャーを我慢したり、大変な苦労を強いられるのが過敏性腸症候群です。この研究により、QOL

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