日本の野鳥は何を食べているのか?【日本の研究.com】


日本の野鳥は何を食べているのか? ~日本産鳥類全種に対する食性データベースの作成~
北海道大学

日本の研究.comプレスリリース 掲載日:2021.01.21

https://research-er.jp/articles/view/95877

>美幌博物館はこの度、森井悠太・特定助教(京都大学)を中心とした研究グループに参画し、日本の野鳥 633
種(全種類)の食べ物(食性)を取りまとめたデータベースの作成に貢献しました。2017
年に博物館講座の講師として森井博士が来町した際に、著者の一人である渡辺恵氏が提供した情報と標本をキッカケに、日本の野鳥の食性を網羅的に調査するプロジェクトが始まりました。その成果が実り、世界でも権威あるパブリッシング・グループが発行する誌に論文が公開されました。

>日本に暮らす全 633 種の野鳥の食べ物を、特に軟体動物に着目してまとめました。

>野鳥は、植物の葉や種子から、虫や小型の哺乳類まで様々な生き物を食べています。生態系のトッププレデター(生態系の上位にいる捕食者)として重要な役割を果たすことも多く、野鳥が何をどの程度食べているのかを知ることは、野外における生き物同士の関わりを理解するために極めて重要です。また、野鳥は、75%近くが無脊椎動物を捕食し、農業害虫をも捕食対象とすることから、人類の活動にとって非常に有益な生き物であると認識されており、ヒトとの関わりの深い生き物でもあります。それため、野鳥の食べ物(食性)に関する研究は、古くから世界中で数多くなされており、豊富な知識が蓄積されてきました。

>日本に暮らす 633 種類の野鳥について、以下のカテゴリー分けで、食べているものを取りまとめました。野鳥の食べ物については、1913
年から 2018 年に発表された 165 件の学術論文と書籍から収集しました。

>【結果】
>キジバト(A)からは、ヤマボタルガイ(C)、パツラマイマイ(D)、エゾマイマイ(E)、エゾキビ(F)が見つかり、エゾライチョウ(B)からは、オカモノアラガイが見つかりました。
>文献調査と 2 種類の新たに確認された情報を加えると日本の野鳥 633 種の内 248
種がカタツムリや二枚貝などを含む軟体動物を捕食していました。さらに詳しく見ると、陸産軟体動物を食べていたのが 87
種。次いで、淡水産軟体動物が 48 種、海産腹足類が 43 種、海産二枚貝が 36 種、海産頭足類(イカ・タコ)が 41 種でした。


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