オンライン授業は「悪」なのか対面授業5割未満の大学名公表の波紋【毎日】


オンライン授業は「悪」なのか 対面授業5割未満の大学名公表の波紋

毎日新聞2020年11月2日 06時00分
https://mainichi.jp/articles/20201030/k00/00m/040/204000c?cx_fm=mailhiru&cx_ml=article&cx_mdate=20201102

>萩生田光一文科相が大学名公表の方針を明らかにしたのは、10月16日の閣議後記者会見だった。
遠隔授業の比率が大きいことに学生が納得しているかどうかの認識を尋ね、大学名とともに公表する考えを示した。

>困惑する大学「『対面3割』に意味はあるのか」
>大学は今年度、オンラインなどの遠隔授業に力を入れてきた。実はそれを後押ししたのも文科省だった。

アンケートでは多くの学生が遠隔授業に好意的
>茨城大では、第1クオーター(四半期)の授業について、対面だった昨年度よりも、すべてオンラインの今年度の方が学生の理解度と満足度が高かった。
>授業について「とてもよく理解できた」と「おおむね理解できた」と答えた学生の割合は79・5%で、昨年度(73・6%)を5・9ポイント上回った。満足度でも「十分に満足」「おおむね満足」という肯定的な評価は80・0%で3・7ポイント増だった。理解度が改善した理由について、教員を対象としたアンケートでは、事前に資料をオンラインで提供したことで学生が板書を写す作業から解放され、内容の理解に集中できた可能性などが指摘されている。
>教員の受け止めも良かった。9割以上が「これからも活用したい」と回答した。県内3カ所のキャンパスの移動が必要なくなったことを歓迎する声もあり、大学としては浮いた時間を研究などに振り向けてもらいたい考えだ。
>東洋大の松原聡教授を中心とする15校の大学・短大の教員20人は7月、2年生以上を対象に、前期の講義をもう一度受ける場合、オンラインと対面のどちらを望むか尋ねた。すると、オンラインを望む学生(40%)が対面の希望者(33%)を上回った。学習効果についても、オンラインと対面で明確な差は見られなかった。

>専門家「対面とオンラインで学習効果に差はない」
>慶応大の中室牧子教授(教育経済学)は「遠隔授業でも対面の場合と遜色のない成果が得られるというのは、海外の先行研究と一致するものだ」と指摘する。
>中室教授によると、米国の学生を対象とした比較試験で、対面でも遠隔でも学習成果に差はないとの研究がある。一方、遠隔の場合は受講する学生が1割増えても、学習成果が低下しないという論文も発表されており、コスト面では遠隔の優位性が示唆される。
>ただ、遠隔授業にも弱点はある。全体の平均的な学習効果は変わらないものの、低学力層は対面よりも成果が下がる傾向が分かっているという。中室教授は「遠隔授業の良さを生かしつつ、負の影響を受けやすい層の学生を手厚くサポートするのが現実的な対応ではないか」と提案する。
>「コロナ禍」を受け、日本と時差の少ないアジア圏の有力大学はオンライン授業に軸足を移している。日本の大学が環境整備を進めなかった場合、優秀な学生を奪われる可能性がある。こうした危機感から、早稲田大や慶応大などの有力私大が加盟する日本私立大学連盟は7月、コロナ禍の特例措置となっている遠隔授業の上限単位数の規制緩和を恒久化するよう萩生田文科相に要望している。
>中室教授は警告する。「客観的根拠も示さないまま、対面が遠隔より優れているかのようなメッセージを文科省が発するのは問題だ。いま日本の大学がオンライン授業への投資を怠れば、世界から置いていかれるのではないでしょうか」
>バッシングへの恐怖
>小中学校や高校では対面授業が全面再開されているのに、大学が二の足を踏む背景には、クラスター(感染者集団)が発生した時のバッシングへの警戒感がある。
3月にクラスターが発生した京都産業大には抗議が殺到し、学生に対する差別や中傷がしばらく続いた。8月に部活動で感染が拡大した天理大では、学生が教育実習の受け入れを一時拒まれる事態となった。

 事実、実家から離れた大学生が通う大学が、オンライン授業なら生活費を節約する為に実家に戻って授業を受けられると準備を進めていたのに、後期の授業がゼミだけ対面になった為にその為だけに一人暮らしを続けなければいけなくなった、という事例があります。

 一体誰の為の「オンライン授業叩き」なのか。甚だ疑問です。
 「手書きのエントリーシート」と同じ臭いを感じずにはいられません。


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